セッション情報 一般演題

タイトル O-034:

腫瘍内出血を契機に発見された嚢胞変性を伴った巨大消化管外GISTの一例

演者 西野 眞史(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科)
共同演者 松下 直哉(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 高垣 航輔(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 竹内 靖雄(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 白井 直人(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 梶村 昌良(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科)
抄録 【症例】56歳 男性。【主訴】腹部膨満。【現病歴】H24年5月28日脳梗塞にて入院、入院時より腹部膨満を認めていたが、肥満によるものと考えられていた。脳梗塞の予防に6月3日よりクロピドグレルの内服が開始となっていた。リハビリをすすめるうちに腹部膨満が目立つようになり、6月21日CTを施行したところ、巨大な腹部腫瘤を認め、精査加療目的にて6月26日消化器内科に転科となった。CT、腹部超音波検査、MRIにて胃と膵に接する長径20cm大の多房性嚢胞性腫瘤を認め、腫瘍内にT1強調で高信号を呈する部位を認め嚢胞内に出血しているものと考えられた。クロピドグレル中止後も貧血の進行、腹部膨満の悪化を認め、7月2日に緊急手術となった。腫瘍は毛嚢内にあり、胃壁と横行結腸間膜と強固に接し、腫瘍切除術(胃壁漿筋膜・横行結腸間膜合併切除)を行なった。病理所見において腫瘍はc-kitおよびCD34陽性を認めた、明らかな胃筋層との連続性がなく、消化管外GISTと診断した。【考察】GISTに嚢胞変性を伴うことはまれではないが、多くが液状変化にともなう微小嚢胞であり、嚢胞成分が主となることはまれである。今回のように嚢胞変性が主となる場合には術前の診断に難渋することも少なく無い。腫瘍内出血した場合は破裂による腹膜播種のリスクもあり、腹腔内嚢胞性腫瘍の鑑別の一つにGISTも挙げて早期に診断していくことが必要と考えられた。
索引用語 GIST, 嚢胞変性