セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-075:

胆管穿孔の1例

演者 青山 春奈(静岡県立総合病院消化器科)
共同演者 菊山 正隆(静岡県立総合病院消化器科), 榎田 浩平(静岡県立総合病院消化器科), 山田 友世(静岡県立総合病院消化器科), 重友 美紀(静岡県立総合病院消化器科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院消化器科), 白根 尚文(静岡県立総合病院消化器科), 鈴木 直之(静岡県立総合病院消化器科)
抄録 【症例】46歳、男性。数日続く心窩部痛にて紹介。既往歴に腎不全があり透析中。体温37.5℃、血圧120/60、貧血黄疸なく心窩部に圧痛を認めた。血液検査にてWBC17500/μl、CRP29.06mg/dlの炎症反応があり、肝胆道系酵素はγGTP197U/lの異常を認めた。腹部造影CTにて胆嚢腫大、胆管拡張はないが、下部胆管内に小さな石灰化結石と総肝動脈周囲に少量の液体貯留を認めた。第2病日に総胆管結石に対しERBDを留置した。その際の胆管造影にて3管合流部より造影剤の漏出を認めた。胆管穿孔と診断した。第3病日のCTにて総肝動脈周囲の液体貯留は減少しているものの、肝被膜下の広範囲に液体貯留を認めた。胆嚢は縮小していた。肝被膜下貯留液の経皮的穿刺にて黄色の液体を吸引し、T.Bil 19.7mg/dlであった。経皮的にドレナージチューブを留置した。発熱、腹痛は軽快したが、排液量は1日300~600mlと持続し血液検査における炎症反応軽快しないことから、第9病日ENBDを留置した。ENBD造影にて3管合流部からの造影剤漏出を再度確認した。内視鏡的治療により治癒困難と判断し、第10病日に胆嚢摘出術、3管合流部直下の婁孔閉鎖術、Tチューブ留置を行った。術後経過良好であり、第33病日に退院した。Tチューブは第110病日に抜去された。【考察】胆管穿孔の1例を経験した。総胆管結石陥頓による胆管内圧上昇による2次性の可能性が推察された。稀な病態と思われ報告した。
索引用語 胆管, 穿孔