セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-107:

小腸X線検査で病変を指摘できたメッケル憩室の1例

演者 大橋 彩子(刈谷豊田総合病院 内科)
共同演者 坂巻 慶一(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 濱島 英司(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 中江 康之(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 仲島 さより(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 松浦 倫三郎(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 小林 健一(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 澤田 つな騎(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 内田 元太(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 室井 航一(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 井本 正巳(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 鈴木 敏行(刈谷豊田総合病院 消化器内科), 伊藤 誠(刈谷豊田総合病院 病理科)
抄録 【症例】19歳,男性.主訴は新鮮下血.既往歴はなし.H24年11月22日,暗赤色便を主訴に当科受診.造影CTにて造影剤の血管外漏出はなく,緊急CFを施行し盲腸まで観察したところ,明らかな出血源は同定できず,下行結腸より肛門側に暗赤色便を認めた.同日入院し,絶食,PPI点滴にて,その後は下血なく経過.11月26日にGIF,28日にCFを施行し回腸末端まで観察したが,ともに異常所見は認めなかった.29日にメッケル憩室シンチをおこなったところ,下腹部正中やや右側に結節状の集積を認め,メッケル憩室からの出血が疑われた.一旦退院し,H25年1月15日,小腸X線検査を施行.回腸末端より14cmほど口側に細長い憩室を認めた.憩室内には小バリウム斑があり,びらんが疑われた.憩室の辺縁はやや鈍角であり,粘膜浮腫,open ulcerの存在が疑われた.1月24日にカプセル内視鏡を施行.明らかな憩室の存在は確認できなかったが、下部回腸に粘膜性状の異なる部位を認め,憩室内の胃粘膜をみていると考えた.以上より,回腸メッケル憩室と診断し,手術目的に当院外科へ紹介となった.2月16日に腹腔鏡下小腸切除術を施行.回腸末端から約60cmの腸間膜付着側対側に,2cm大の憩室を認めた.病理組織結果では,腸管全層が確認できる真性憩室であり,憩室の入口は小腸粘膜で構成されるが,それより先端は胃底腺組織がよく発達した胃粘膜で構成されており,メッケル憩室に矛盾しない所見だった.回腸粘膜側には潰瘍性病変などは認めず,術後は下血なく経過している.【結語】小腸X線検査で病変を指摘できたメッケル憩室の1例を経験した.
索引用語 メッケル憩室, 小腸X線検査