セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | O-051:凝固機能異常のため経皮的内視鏡的胃瘻造設術後に出血をきたした1例 |
演者 | 水谷 拓(岐阜県総合医療センター 消化器内科) |
共同演者 | 佐藤 寛之(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 松浦 加奈(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 中村 みき(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 丸田 明範(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 若山 孝英(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 山内 貴裕(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 岩田 圭介(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 山崎 健路(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 芋瀬 基明(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 清水 省吾(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 杉原 潤一(岐阜県総合医療センター 消化器内科), 天野 和雄(岐阜県総合医療センター 消化器内科) |
抄録 | 【症例】90代男性【主訴】経口摂取不良【既往歴】特になし【現病歴】転倒し第6頸椎脱臼骨折、当院整形外科入院となり第4病日に頸椎後方固定術を施行。術後から誤嚥性と思われる肺炎を発症し、経口摂取困難と判断され、TPN行いつつ経管栄養目的に当科紹介となった。【身体所見】結膜異常なし。出血傾向なし。胸腹部含め、異常所見を認めない。【経過】経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を検討、上部消化管内視鏡検査施行し胃体下部前壁に指サイン、透過光サインを確認。腹部CT撮影でもPEG施行に問題のある所見を認めず、PEG適応あるものと判断し 第38病日に施行となった。経鼻内視鏡観察下にIntroducer変法にて胃体下部前壁に20Fr.×3.0cmのカテーテルを挿入。術中の出血は微量で、止血していることを確認し、処置終了とした。第39病日PEG創部から出血を認め、用手圧迫にて一時的に止血したが、第40病日に再度創部出血があり、血液検査行ったところ、第1病日にPT79.0%APTT29.3秒であったが、PT5.0%未満APTT220.0秒と著明に凝固機能低下し、出血の原因と考えてビタミンK製剤の投与を開始した。投与開始後、再出血無く、第41病日にはPT59.2% APTT48.9秒まで改善。凝固機能低下の原因として、第26病日から肺炎増悪のため絶食となっており、FMOX4日間投与され、続いてSBT/CPZを第43病日まで継続投与されていたため、抗生剤による凝固機能低下を疑った。PEGの問題はその後起こらず、誤嚥性肺炎の治療などを行い、第128病日に退院となった。【考察】凝固機能低下は観血的処置を行う場合に重篤な合併症を引き起こすが、検査日から処置日まで間隔があく事例もある。一方、PEGの対象となる患者の背景として誤嚥性肺炎などのために近日まで抗生剤投与が行われていることがある。抗生剤の副作用として凝固機能低下があり、十分な注意を必要とすることを改めて認識する一例を経験したため、若干の文献的考案を含め報告する。 |
索引用語 | PEG, 術後出血 |