セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-138:

肝細胞癌に対する経カテーテル的ミリプラチン動注及び塞栓療法の検討

演者 田中 優作(国立名古屋医療センター 消化器科)
共同演者 田中 優作(国立名古屋医療センター 消化器科), 平嶋 昇(国立名古屋医療センター 消化器科), 浦田 登(国立名古屋医療センター 消化器科), 加藤 文一朗(国立名古屋医療センター 消化器科), 江崎 正哉(国立名古屋医療センター 消化器科), 喜田 裕一(国立名古屋医療センター 消化器科), 久野 剛史(国立名古屋医療センター 消化器科), 龍華 庸光(国立名古屋医療センター 消化器科), 桶屋 将之(国立名古屋医療センター 消化器科), 都築 智之(国立名古屋医療センター 消化器科), 島田 昌明(国立名古屋医療センター 消化器科), 岩瀬 弘明(国立名古屋医療センター 消化器科), 後藤 秀実(名古屋大学大学院 消化器内科学)
抄録 【目的】ミリプラチンは保険適応となり3年が経過したが,Lipiodolの早期消失などの問題点も指摘あり.我々は選択的カニュレーション可能例には塞栓療法(TAE)を併用し,2011年7月以降はミリプラチンを加温したので,その治療成績を報告する.【方法】2010年1月から2012年12月までにミリプラチン動注およびTAEを実施した肝細胞癌患者の30人(初発28例,手術またはRFA後の他部位再発2例),男性17例,女性13例,平均年齢72 才,HB2例,HC20例,NBNC8例,単発15例,多発15例で最大径33.4mm,Child Pugh score5:6:7:8:9の順に14:10:6:3:2例,治療回数は1回17例,2回7例,3回3例,5回4例,TAE併用10例.効果判定は日本肝癌研究会基準(RECICL)とRECISTを用いた.1か月以降もLipiodolが集積した領域を壊死効果ありとした.【成績】一回使用量は平均56.9mg.延べ55回治療後のRECICL:PD19例(35%),SD21例(38%),PR10例(18%),CR5例(9%),RECIST:PD28例(51%),SD24例(43%),PR3例(5%),CR0.TAE併用例はRECICL:PD2例(13%),SD6例(40%),PR3例(20%),CR4例(27%),RECIST:PD4例(27%),SD6例(40%),PR5例(33%),CR0と改善.Lipiodol沈着率は治療後1週間・1カ月CTの順に2011年7月以前47%・34%,以降56%・33%,TAE併用例は74%・51%と改善.生存率は1年90.8%,2年72.4%,3年48.3%,RECICLでCR+PRは92.3%,82%,58.6%,TAE併用例は86.2%,71.8%,58.8%と改善したが有意差は認めなかった.副作用は発熱のみで,AST,ALT,T-Bil,BUN,Cre値は動注単独でもTAE併用でも前後で異常な上昇は認めなかった.【結論】肝細胞癌に対するミリプラチンの肝動注療法はTAE併用有無に関わらず安全性が高いと思われた.リピオドール沈着及び治療効果判定は加温とTAE併用により改善したが,生存率改善に寄与するかさらに症例を重ねて経過観察が必要と思われた.
索引用語 ミリプラチン, 肝細胞癌