セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | O-083:副膵管領域にIPMNと浸潤性膵癌を併発した一例 |
演者 | 海野 修平(聖隷浜松病院 消化器内科) |
共同演者 | 芳澤 社(聖隷浜松病院 消化器内科), 瀧浪 将貴(聖隷浜松病院 消化器内科), 小林 陽介(聖隷浜松病院 消化器内科), 田村 智(聖隷浜松病院 消化器内科), 木全 政晴(聖隷浜松病院 消化器内科), 舘野 誠(聖隷浜松病院 消化器内科), 室久 剛(聖隷浜松病院 消化器内科), 熊岡 浩子(聖隷浜松病院 消化器内科), 清水 恵理奈(聖隷浜松病院 消化器内科), 細田 佳佐(聖隷浜松病院 消化器内科), 長澤 正通(聖隷浜松病院 消化器内科), 佐藤 嘉彦(聖隷浜松病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は64歳男性.黄疸を認め当院紹介され入院精査となった.CTで肝内胆管・総胆管の拡張があり,膵頭部の十二指腸に接した領域に20mmほどの造影効果の乏しい腫瘤を認め閉塞機転と考えられた.また腫瘤のすぐ尾側に20mm大の嚢胞性病変を認めた.MRIでは腫瘍は造影早期に辺縁が染まり,平衡相で全体が染まる腫瘍を認め,それより上流の胆管の拡張を認めた.その尾側にはIPMNを疑う多房性の嚢胞性病変が存在していた.EUSでは膵頭部に19mm大の腫瘤があり,十二指腸筋層と連続し,この腫瘤近傍には内部隔壁を伴う多房性嚢胞性病変を認めたが,内部には明らかな結節を認めなかった.ERCPでは主乳頭は開大し粘液の流出を認めた.また副乳頭と考えられる主乳頭口側の十二指腸粘膜には易出血性の不整隆起を認め,腫瘍の浸潤が考えられた.膵管造影では副膵管は拡張し,内部に粘液と思われる透亮像を認めた.胆管造影では中下部胆管に13mmほどの狭窄を認め,減黄のためEBDを挿入した.十二指腸生検,胆管ブラシ細胞診より腺癌を認めており,上記検査より副膵管から発生した膵癌の十二指腸浸潤と副膵管領域の分枝型IPMNと考えられた.腫瘍がIPMN由来か併存かの鑑別は困難であったが,IPMNを疑う嚢胞は腫瘍のすぐ近傍に存在しておりIPMN由来膵癌を念頭に置き,外科にて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を施行した.病理では副膵管部分に浸潤性の管状腺癌を認め,十二指腸に浸潤していた.また、副膵管に連続した嚢胞を認め粘液を伴っておりIPMNと考えられた.IPMNには上皮内癌に相当する変化は認めたものの,組織学的移行は断定できずIPMNに併存した膵癌と考えられた.IPMNと通常型膵癌が非常に近接した症例であり,併存膵癌であるのか,由来膵癌であるのかを判断するのに苦慮した一例であった.文献的考察を含めて報告する. |
索引用語 | 膵癌, IPMN |