セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル O-013:

盲腸軸捻転の3例

演者 小島 悠揮(春日井市民病院 消化器科)
共同演者 平田 慶和(春日井市民病院 消化器科), 管野 琢也(春日井市民病院 消化器科), 奥田 悠介(春日井市民病院 消化器科), 羽根田 賢一(春日井市民病院 消化器科), 森岡 優(春日井市民病院 消化器科), 杉山 智哉(春日井市民病院 消化器科), 尾関 貴紀(春日井市民病院 消化器科), 池内 寛和(春日井市民病院 消化器科), 望月 寿人(春日井市民病院 消化器科), 高田 博樹(春日井市民病院 消化器科), 祖父江 聡(春日井市民病院 消化器科)
抄録 <症例1>47歳,女性【主訴】腹痛【現病歴】持続的な上腹部痛が出現したため当院を受診,精査加療目的に入院.【経過】CTでは盲腸が拡張しており,左側上方に偏位していた.腸管と腸間膜のwhirl like appearanceを認め,盲腸軸捻転と診断し,外科的整復術施行.開腹すると,回盲部の長軸が時計回りに360°捻転しており,徒手的に捻転を解除した.経過良好で術後9日目で退院となった.<症例2>76歳,男性【主訴】嘔吐,下腹部痛.【現病歴】嘔吐,下腹部痛のため近医受診し,CTで拡張腸管を認めたためS状結腸捻転疑診で当院紹介入院.【経過】CTではS状結腸軸捻転の所見はなく,明らかな腸管穿孔・虚血は認めなかった.盲腸の拡張を認めたため,下部消化管内視鏡施行.上行結腸まで挿入したがバウヒン弁は確認できず,最深部では腸管が捻転しており盲腸軸捻転と診断した.捻転部の肛門側で内視鏡下に脱気を行ったが著明に拡張した口側腸管が残存し,内視鏡的整復は困難と判断し外科的整復術を施行.開腹すると拡張した回盲部が反時計回りに180°捻転し,暗赤色に変色していた.徒手整復したが,漿膜筋層が菲薄であったため,回盲部切除を施行した.経過良好で術後19日で退院となった.<症例3>56歳,女性【主訴】腹痛,腹部膨満【現病歴】前日より腹部膨満あり,間欠的な腹痛出現したため同日当院受診し精査加療目的入院.【経過】CTでは骨盤内に存在する回盲部が著明に拡張し,上行結腸からの腸管と腸間膜の収束像を認め,盲腸軸捻転が疑われた.明らかな腸管穿孔・虚血所見は認めなかったため下部消化管内視鏡施行.上行結腸に捻転した狭窄部位がありその口側に内視鏡を進めると粘膜に明らかな壊死所見のない拡張した回盲部が認められた.内視鏡下に脱気したところ捻転は解除された.経過良好で第9病日に退院,その後現在まで捻転の再発は認めていない.<結語>盲腸軸捻転という稀な症例3例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 盲腸, 軸捻転