セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | O-150:門脈ガス血症の生存21例と死亡例10例 |
演者 | 山本 晃大(藤枝市立総合病院 診療部) |
共同演者 | 景岡 正信(藤枝市立総合病院 消化器内科), 丸山 保彦(藤枝市立総合病院 消化器内科), 大畠 昭彦(藤枝市立総合病院 消化器内科), 森 雅史(藤枝市立総合病院 消化器内科), 志村 輝幸(藤枝市立総合病院 消化器内科), 宇於崎 宏城(藤枝市立総合病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】門脈ガス血症は腸管壊死などの重篤な疾患に伴う予後不良な徴候とされてきたが、近年では軽症例や保存加療施行例の報告も多く必ずしも致死的な病態ではないとされている。しかしながら重症度の評価項目について一定のコンセンサスが得られていないのが現状である。今回、当院において門脈ガス血症を認めた症例のうち生存例と死亡例を比較し予後予測に有用な指標があるかを検討した。【方法】2005年9月から2013年3月までに当院で診断された門脈ガス血症のうち心肺停止状態での搬送を除く31例を生存例(21例)と死亡例(10例)に分類し、年齢・性別・身体所見・血液検査所見・画像所見について検討した。【成績】門脈ガス血症の検出はCT+エコー施行21例、CTのみ施行2例、エコーのみ施行5例、エコーでのみ検出3例(CTで未検出)。全体の平均年齢は73.5歳、男性14例、女性17例。原因疾患は非閉塞性腸管虚血(NOMI)8例、イレウス6例、感染性腸炎5例、便秘4例、虚血性腸炎2例、SMA閉塞1例、敗血症1例、小腸潰瘍1例、食道静脈瘤1例、憩室炎1例、不明1例。年齢(≧75歳 生存例11/21 vs. 死亡例6/10)、腹膜刺激徴候(生存例5/21 vs. 死亡例4/10)、発熱(≧37.5℃ 生存例1/19 vs. 死亡例1/10)、ショック状態(生存例3/18 vs. 死亡例3/10)などの項目で有意差はなかった。今回の検討で有意差がみられたのは白血球数およびCTにおける腸管気腫の有無であった。白血球数は死亡例で有意に高値であり(生存例8761.9±4226.9 vs. 死亡例13666.7±4356.0; p=0.0121)、腸管気腫は死亡例で有意に多く認めた(生存例8/21 vs. 死亡例8/10; p=0.0034)。【結論】今回の検討において予後不良を示す有用な指標として、白血球数高値およびCTにおける腸管気腫の存在が示唆された。 |
索引用語 | 門脈ガス血症, 腸管気腫 |