セッション情報 シンポジウム2「肝胆膵疾患の診断と治療の最前線」

タイトル S2-009:

肝臓外科における立体再構築画像の有用性

演者 森田 剛文(浜松医科大学 第2外科)
共同演者 坂口 孝宣(浜松医科大学 第2外科), 武田 真(浜松医科大学 第2外科), 平出 貴乗(浜松医科大学 第2外科), 柴崎 泰(浜松医科大学 第2外科), 鈴木 淳司(浜松医科大学 第2外科), 今野 弘之(浜松医科大学 第2外科)
抄録 【背景】従来、我々肝臓外科医はCT横断像や血管造影から得られた2次元の血管解剖を頭の中で立体的に再構築して肝切除に臨んでいた。近年、MDCTが広く導入されるとともに、画像解析ソフトが進歩したことで、肝内脈管の走行形態を立体的に把握することが可能となった。【目的】血管造影下MDCT画像から肝内脈管の立体再構築画像を作成し、肝切除における有用性を検討する。【方法・対象】MDCTはMedical System Aquilion 16 TM (TOSHIBA)を使用した。CTHAは造影剤注入開始から11秒で早期動脈相を撮像し、CTAPは造影剤注入開始から25秒で門脈相、45秒で静脈相を撮像した。画像解析ソフトは前期(2007~2008年)でZIOSTATION (ZIO)、後期(2009年~)でSynapse VINCENT (FUJIFILM)を使用した。期間中に当院で肝切除施行した68例を対象に、術中因子として手術時間、出血量、輸血の有無、術後因子として総ビリルビン値、GPT、術後合併症などを検討した。【結果】解析症例を蓄積する中で、肝内血管走行は個々著しく異なることが判明した。立体再構築画像による術前ナビゲーションにより、術中出血量の減少や術後肝機能の保持が得られた。【結語】安全に解剖学的肝切除を行うため、肝内脈管分枝形態や相互の位置関係を立体再構築画像によって把握することは重要である。
索引用語 肝切除, 立体再構築画像