セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-132:当院でのC型慢性肝炎に対するTelaprevir-based triple therapyの治療経験 |
演者 | 松下 雅広(市立島田市民病院) |
共同演者 | 森下 宗自(市立島田市民病院), 金山 広和(市立島田市民病院), 高橋 正彦(市立島田市民病院), 間渕 裕行(市立島田市民病院), 石橋 浩平(市立島田市民病院), 尾上 峻也(市立島田市民病院) |
抄録 | 【目的】3剤併用療法の抗ウイルス効果は強力であるが、本治療特有の有害事象も経験した。3剤併用療法の実地臨床経験を検討することで、より良いPatient careに資することを目的とした。【方法】当院で治療した15例を対象とした。対象患者は全て、肝生検施行後速やかに3剤併用療法を導入された。対象患者における以下の項目につき検討した。 1.治療完遂率、2.薬剤の減量・中止に至った原因、3.ヘモグロビンの推移、4.クレアチニン値・尿酸値の推移、5.皮疹の出現頻度である。【成績】対象の内訳は男性が9名、女性が5名で、年齢の中央値は54歳(36-64歳)であった。3剤併用期間の12週間における治療完遂率は23%(3/13)と低率だが、Ribavirinを減量しながらも内服2剤を継続できた例が46%(6/13)あり、両者を併せると69%(9/13)となった。薬剤の中止・減量に至った原因としては、貧血の進行、腎障害の出現、皮疹の順であった。貧血については、2剤併用療法よりも重度であるが、薬剤減量により適切に調節することで治療継続が可能であった。高尿酸血症の出現頻度は高く、腎障害を伴っていた。腎障害のために治療から脱落した例が2名存在し、いずれも高尿酸血症に対しての治療介入が遅れた例であった。皮疹の出現頻度はGrade1/Grade2/Grade3=4/5/1となり、併せて71%(10/14)と高率であった。治療早期に出現した皮疹例は比較的軽症で遅れて出現した皮疹の1例がGrade3で、治療から脱落した。【結論】3剤併用療法の抗ウイルス効果は強力であるが有害事象の発現率も高率である。3剤併用療法は2剤併用療法に比べて、貧血に傾きやすい。導入第1週には3回/週以上の血液検査を施行し、高尿酸血症を呈した際は早期の介入を考慮した方がよい。皮疹の発症頻度は高く早期に発症するものよりも遅れて発症するものに注意が必要であると思われた。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, 3剤併用療法 |