セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル O-134:

HCVによる肝癌の肝切除術後のペグインターフェロン、リバビリン治療後の再発率・生命予後に関する検討

演者 山下 有己(小牧市民病院 消化器内科)
共同演者 舘 佳彦(小牧市民病院 消化器内科), 宮田 章弘(小牧市民病院 消化器内科), 平井 孝典(小牧市民病院 消化器内科), 小原 圭(小牧市民病院 消化器内科), 小島 優子(小牧市民病院 消化器内科), 灰本 耕基(小牧市民病院 消化器内科), 佐藤 亜矢子(小牧市民病院 消化器内科), 飯田 忠(小牧市民病院 消化器内科), 和田 啓孝(小牧市民病院 消化器内科), 永井 真太郎(小牧市民病院 消化器内科), 濱崎 元伸(小牧市民病院 消化器内科)
抄録 【目的】HCVによる肝癌に対する肝切除後の予後に対してのインターフェロン治療の有用性は報告されているが、ペグインターフェロン、リバビリン治療の有用性の報告は未だわずかである。今回当院におけるHCVによる肝癌に対する肝切除術後患者におけるペグインターフェロン、リバビリン治療の有用性に関しての検討をおこなった。【方法】当院において2004年9月~2012年11月の期間において、過去にインターフェロン治療歴がなくHCVによる肝癌に対して、肝切除術が施行された21人(平均年齢69.3歳、男性/女性17人/4人)を対象とした。肝癌はstage1が1人、stage2が17人、stage3が3人であった。手術後C型肝炎ウイルスに対してペグインターフェロン、リバビリン治療を施行された9人と未施行の12人において肝癌再発と生命予後ついての比較検討をおこなった。ペグインターフェロン、リバビリン治療の有無と、肝癌の再発、生命予後との関連性をKaplan-Meier法、Log-rank testにて解析した。【成績】平均観察期間は約3年9か月間(1362日)であった。経過中肝癌の再発が12例に認められ、肝癌死が4例、生存は17例に認められた。ペグインターフェロン、リバビリン治療群と非治療群の死亡者数はそれぞれ9例中0例(観察期間中央値は1697日)、12例中4例(観察期間中央値は1110日)であり、有意差を認めた(P=0.049)。ペグインターフェロン、リバビリン治療群と非治療群の1回目再発者数はそれぞれ9例中4例(1回目再発までの期間の中央値は1476日)、12例中8例(1回目再発までの期間の中央値は545日)であったが、有意差は認めなかった。ペグインターフェロン、リバビリン治療群と非治療群の2回目再発者数はそれぞれ9例中3例、12例中4例であったが、有意差は認められなかった。【考案】HCVによる肝癌に対する肝切除後のペグインターフェロン、リバビリン治療は肝癌再発を抑制することはなかったが、生命予後を改善させることが認められた。【結語】HCVによる肝癌肝切除術後のペグインターフェロン、リバビリン治療の有用性が示された。
索引用語 肝切除術, ペグインターフェロン リバビリン