セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-130:

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法施行中に重症急性膵炎を発症したがSVRが得られた一例

演者 中村 みき(岐阜県総合医療センター)
共同演者 松浦 加奈(岐阜県総合医療センター), 水谷 拓(岐阜県総合医療センター), 丸田  明範(岐阜県総合医療センター), 若山 孝英(岐阜県総合医療センター), 山内 貴裕(岐阜県総合医療センター), 佐藤 寛之(岐阜県総合医療センター), 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター), 岩田 圭介(岐阜県総合医療センター), 山崎 健路(岐阜県総合医療センター), 芋瀬 基明(岐阜県総合医療センター), 清水 省吾(岐阜県総合医療センター), 杉原 潤一(岐阜県総合医療センター)
抄録 【症例】61歳 男性【既往歴】なし【輸血歴】なし【家族歴】なし【アルコール摂取歴】なし【現病歴】18年前にC型肝炎と診断され、平成18年7月よりPeg-IFN+Ribavirin併用療法開始した。治療開始前の肝生検所見はA0/F2、血液検査ではAST25IU/l、ALT29IU/l、HCVRNA量840KIU/ml、serotypeはgroup1であった。治療開始12週目でHCVRNAは陰性化し、60週まで延長治療したが再燃した。その後24年7月2日よりPeg-IFN100μg/週+Ribavirin800mg/日+Telaprevir2250mg/日の3剤併用療法を開始した。24年6月27日の肝生検所見はA1/F1であり、治療開始時の血液検査ではAST19IU/l、ALT19IU/l、HCVRNA量6.0LogIU/mlであった。治療開始4週目でHCVRNAは陰性化し、Telaprevirは12週投与を完遂した。しかし、治療開始16週目にあたる、10月20日に昼食摂取後突然に心窩部痛が出現し、p-AMY2030IU/l、CRP0.04mg/dl、WBC8300/μl、造影CTにて膵炎像(CTgrade2)が認められ、重症急性膵炎の診断で入院となった。入院後はPeg-IFNとRibavirinの投与は中止した。膵炎に対する治療としては絶飲食の上、ナファモスタット40mg/日+リコモジュリン25600単位/日+PPI+IPM/CS2.0g/日の保存的治療を施行した。これにより、徐々に症状は軽快し、血液検査所見、CT所見上も退院可能な状態まで改善し11月9日退院となった。膵炎発症の原因は明らかではないが、その後も膵炎に関しては再燃なく経過良好である。また、C型慢性肝炎に関してもAST、ALTは正常範囲内で推移し、治療終了24週後までHCVRNAの陰性化が持続しておりSVRと判定した。【考察】本症例はC型慢性肝炎に対する3剤併用療法開始後16週目に重症急性膵炎を発症し併用療法は中止を余儀なくされた。しかしながら、治療開始4週目でHCVRNAの陰性化が得られており(RVR)、またTelaprevirを12週間投与完遂できたことによりSVRが得られたものと考えられる。
索引用語 インターフェロン治療, 重症急性膵炎