セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | O-118:いわゆる黒色食道を呈した急性壊死性食道炎の1例 |
演者 | 加藤 誉史(済生会松阪総合病院 内科) |
共同演者 | 河俣 浩之(済生会松阪総合病院 内科), 行本 弘樹(済生会松阪総合病院 内科), 鈴木 康夫(済生会松阪総合病院 内科), 青木 雅俊(済生会松阪総合病院 内科), 福家 洋之(済生会松阪総合病院 内科), 橋本 章(済生会松阪総合病院 内科), 脇田 喜弘(済生会松阪総合病院 内科), 清水 敦哉(済生会松阪総合病院 内科), 中島 啓吾(済生会松阪総合病院 内科), 南川 光三(済生会松阪総合病院 内科) |
抄録 | 【症例】40代男性。糖尿病にて30代よりインスリン治療を受けていたが、5年前より経済的理由で中断し無治療であった。2週間前より歩行障害、食事摂取不良あり、徐々に増悪し意識障害を来し2013年2月救急搬送された。血糖350mg/dl、HbA1c15.8%(NGSP)と高血糖、白血球30600/μl(好中球90.6%)と高度上昇、アルブミン1.7g/dlと著明な低アルブミン血症を認めた。また糖尿病性ケトアシドーシスを示唆する所見は認められなかった。摂食不良による脱水、感染の合併による意識障害と考え、輸液、抗生剤治療を開始した。徐々に意識レベルは改善し、第3病日には清明となり食事を開始したが、第8病日より摂食時の胸痛を訴え、摂取困難となったため、第11病日に上部消化管内視鏡を施行した。頸部食道から食道胃接合部まで連続して全体に上皮の黒色変化を認め、壊死性食道炎と考えた。胃には明らかな異常所見は認められなかった。絶食、酸分泌抑制剤投与を行ったところ、11日後には黒色変化が残存しているものの、白苔付着を認め改善傾向であった。生検を施行したが壊死物質のみであった。同日より経口摂取を再開し、その後経過良好である。【考察】壊死性食道炎は糖尿病、感染症、腎不全、悪性腫瘍、低栄養等の基礎疾患を有する者に発症する頻度が高く、本症例でも糖尿病、低栄養がみられた。また予後は比較的良好といわれているが狭窄を来した報告もあり、本症例でも高度な黒色壊死が食道全域に認められており今後の狭窄に注意が必要と考える。発生機序については、局所の血流障害による虚血、感染症、抗生剤に対する反応、胃酸の関与等、様々な要因が考えられるが、未だ不明な点が多く、解明されていない。今後症例を蓄積し、病因、病態の解明が必要であると考える。稀な疾患であるが、その内視鏡所見が極めて特徴的であり、示唆に富む症例と考えられ報告する。 |
索引用語 | 壊死性食道炎, 黒色食道 |