セッション情報 ワークショップ14(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

患者にやさしい上部消化管内視鏡検査の工夫

タイトル 内W14-11:

新しい細径経鼻内視鏡を用いたBarrett粘膜・食道のスクリーニング法

演者 柳澤 京介(東京医大病院・内視鏡センター)
共同演者 河合 隆(東京医大病院・内視鏡センター), 森安 史典(東京医大病院・消化器内科)
抄録 目的:近年、H.pylori感率の著明な低下から、逆流性食道炎および逆流性食道炎が再生される際に生じるBarrett粘膜、さらにはBarrett食道が注目されている。Barrett粘膜はBarrett腺癌の発生母地として注目されているが、内視鏡的に異型度を評価するためには、拡大内視鏡が必要であった。新しい細径経鼻内視鏡(Y-0042)は近接することでハイビジョン画像と同等の画質を有することからBarrett粘膜の粘膜構造パターンを判定が可能である。方法:対象は本検討に同意を得られた57例。平均年齢63.5±10才。新しい細径経鼻内視鏡を用いてSSBEを含めたBEの発見頻度(白色光とNBI観察の比較)およびNBI近接観察により郷田らの分類(fine mucosal patterns)に準じ、round or oval pattern(FMP-1)、long straight pattern(FMP-2)、villous pattern(FMP-3)、cerebriform pattern (FMP-4)、irregular pattern (FMP-5)分類した。さらにBarrett粘膜より生検組織を追加して、腸上皮化生の有無を検討した。結果:Barret粘膜・食道は84.2%(48/57)に認めた。白色光のみの観察では、24.6%(14/57)と明らかにNBI併用観察の発見率が高かった。パターン分類では、FMP-1:5例、FMP-2:26例、FMP-3:12例、FMP-4:2例、FMP-5:3例であった。組織学的に腸上皮化生を3例に認めた。結語:SSBEがほとんどではあるが、経鼻内視鏡による近接高解像度観察により、高頻度にBEを認めた。経口内視鏡に比べ、苦痛も少なく、心肺機能に及ぼす影響も少なく、安全なBEのスクリーニング方法をして期待できる。
索引用語 Barrett粘膜・食道, 経鼻内視鏡