セッション情報 一般演題

タイトル O-079:

腫瘍壊死により術前の質的診断が困難であった胆嚢癌の一例

演者 田中 卓(豊橋市民病院 消化器内科)
共同演者 松原 浩(豊橋市民病院 消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院 消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院 消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院 消化器内科), 山田 雅弘(豊橋市民病院 消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院 消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院 消化器内科), 田中 浩敬(豊橋市民病院 消化器内科), 鈴木 博貴(豊橋市民病院 消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院 消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院 消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院 消化器内科)
抄録 【背景】胆嚢病変において、CT での造影剤による血行動態把握は必須のものとなっている。また、造影剤を使用した超音波診断は近年、その有用性についての報告が散見される。今回我々は、腫瘍の壊死性変化により術前の造影検査で血流を認めず質的診断が困難であったが、超音波内視鏡検査(EUS) での胆嚢壁の所見、胆嚢二重造影検査による側面変形により胆嚢癌を疑い、診断しえた一例を経験したので報告する。【症例】70歳代男性【既往歴】虫垂炎切除、高血圧症、糖尿病、狭心症【現病歴】2013年1月、前胸部痛を主訴に当院救急外来受診。胆石を指摘され当科紹介となった。初診時腫瘍マーカはCEA 1.0 ng/mL、CA19-9 5.5 U/mLであった。体外式腹部超音波検査(US)では、胆嚢底部に18.9×19.2 mm大で輪郭が整、類円形で内部エコーは不均一で高低エコーを呈する病変を認めた。color Doppler imaging で血流シグナルを認めなかった。病変は広茎性であり、体位変換によって可動性を認めなかった。一方で、病変は造影CT 検査で造影効果を認めなかった。また、Sonazoid(R) を用いて施行した造影US においても病変は血流を認めず、sludge ball と診断された。超音波内視鏡検査(EUS)を施行したところ、病変は広茎性の充実性病変として認識され、病変部分の胆嚢壁の外側高エコー層のわずかな引きつれを認め、胆嚢癌の存在を疑った。膵胆管合流異常は見られなかった。入院精査となり、ERCP を施行した。胆道直接造影下にガイドワイヤーで胆嚢管を選択し、経乳頭的経鼻胆嚢ドレナージを留置した。同時に行ったウログラフィンによる胆嚢二重造影では、隆起性病変とともに側面像で胆嚢壁の変形を認め、EUS に合致する所見が得られた。連日繰り返し行った胆汁細胞診でadenocarcinoma が検出された。以上より、深達度ss深層以深の胆嚢癌と診断し、胆嚢摘出術、肝床合併切除、胆管切除術を施行した。術後の病理組織結果はWell differentiated adenocarcinoma pT2 ss pHinf1a で、血管、リンパ節転移を認めなかった。病変の基部には血栓を認め、隆起部分は大部分が壊死していた。
索引用語 胆嚢癌, 壊死