セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-085:

胆管、十二指腸のダブルステンティングが奏功した膵癌十二指腸浸潤の2例

演者 安藤 有希子(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科)
共同演者 佐々木 洋治(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 吉田 大介(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 中村 陽介(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 伊佐治 亮平(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 丸川 高弘(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 酒井 大輔(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 伊藤 信仁(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 植月 康太(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 末澤 誠朗(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科), 鈴木 智彦(愛知厚生連江南厚生病院 消化器内科)
抄録 膵癌の胆管、十二指腸浸潤に対するダブルステンティングにおいては両ステントの留置時期や留置形態に関して工夫が必要である。今回われわれは胆管、十二指腸にダブルステンティングを施行し、良好な経過を得た2例を経験したので報告する。【症例1】70歳代、男性。2011年5月黄疸を主訴に当院受診。精査にて膵頭部癌による閉塞性黄疸と診断。胆道閉塞に対して経乳頭的にpartial-covered WallFlexTM胆道用ステント(BS)長さ80mm、ステント径10mm(Boston Scientific Japan)を挿入した。その後外来にて化学療法を継続したが、BS挿入17か月後より食後の腹部膨満感、嘔吐が出現した。腹部CT検査にて著明な胃拡張を確認し、消化管造影検査にて十二指腸水平脚に高度不整狭窄を認めた。膵癌の浸潤による十二指腸狭窄と診断した。バイパス術は希望されずBS挿入18ヵ月後に十二指腸水平脚にWallFlexTM十二指腸用ステント(DS)長さ60mm、ステント径22mmを十二指腸水平脚に留置した。その後、通常の経口摂取が出来るまでに回復し退院となった。【症例2】80歳代、女性。反復する嘔吐を主訴に2013年1月当院受診。腹部CT検査にて膵頭下部に不整な低吸収域を認め、上流の胆管拡張と胃、十二指腸の著明な拡張を認めた。膵頭部癌の胆管、十二指腸浸潤と診断した。十二指腸内視鏡検査では十二指腸下行脚に全周性高度狭窄を認め、狭窄口側に位置する主乳頭は著しく偏移していた。十二指腸造影検査にて十二指腸下行脚から下十二指腸角にかけて約25mm長の狭窄を確認した。胆道閉塞に対して経乳頭的ステント留置を先行し、full-covered BS(長さ80mm、ステント径10mm)を乳頭から長めに突出させて留置した。BS挿入4日後にDS(長さ120mm、ステント径22mm)挿入を行い、BSとDSがside by sideとなる形態で留置した。その後の経過は良好で全粥食の摂取が可能となり退院となった。
索引用語 胆管ステント, 十二指腸ステント