セッション情報 一般演題

タイトル O-095:

自己免疫性膵炎(疑診)2例の検討

演者 河辺 智久(稲沢市民病院 消化器内科)
共同演者 神田 信之(稲沢市民病院 消化器内科), 尾関 雅靖(稲沢市民病院 消化器内科), 坂田 豊博(稲沢市民病院 消化器内科)
抄録 【症例1】57歳男性。H14年から糖尿病で近医より投薬を受けていた。HbA1cの悪化(7%から14% / 6ヶ月)のためH24年5月紹介となる。造影CTで膵頭部の腫大、ERCPで膵頭部から体部主膵管の狭細像を認めた。IgG4は59.9mg/dl、膵外病変は見られなかった。画像所見よりAIPを疑い、十分な説明のもとステロイド40mgで治療を行った。2週間後のERCPで主膵管狭細像の改善と、造影CTで膵腫大の改善がみられた。ステロイドを漸減し現在10mg/日にて外来治療中である。2型DMもインスリン56Uから現在24Uに減量できている。【症例2】51歳男性。H20年より自己免疫性膵炎にて外来通院中であった。プレドニンは15~3mgに漸減し、H24年5月で中止となった。10月より腹痛あり、次第に左腰背部痛を生じた。WBC11700/μl、CRP22.9mg/dl、AMY1569IU/l、T.Bil0.7mg/dl、IgG4 68.2mg /dl 。CTで膵頭部腫大、膵尾部から左腎周囲の脂肪織上昇、MRCPで体部~尾部主膵管の軽度拡張を認めた。AIPの再燃と腎周囲膿瘍を疑い、抗生剤とプレドニン40mgで治療を行った。経過は良好で1か月後のMRCPで体~尾部主膵管の拡張軽減と、造影CTで膵頭部腫大の改善がみられた。現在プレドニン10mgで外来治療中である。【考察】症例1,2ともIgG4は上昇をみとめず、自己免疫性膵炎臨床診断基準ではAIP疑診例である。疑診例はまず膵癌との鑑別が重要になる。特にステロイドを使用する場合には早期に判断する必要がある。症例1ではステロイドで、画像所見の改善だけでなく、糖尿病のコントロールも改善された。症例2では約4年間の維持療法後、5か月で再燃を生じた。AIPの寛解維持療法では内服期間に対するコンセンサスはまだ確立されていない。【結語】疑診例は膵癌やtype2 AIPも考慮すべきであり、今後も十分注意して長期に経過を追う必要があると考えられた。
索引用語 自己免疫性膵炎, AIP