セッション情報 一般演題

タイトル O-18:

肝硬変に合併した直腸癌同時性肝転移の1例

演者 林 忠毅(浜松医療センター 消化器外科)
共同演者 平山 一久(浜松医療センター 消化器外科), 鈴木 雄飛(浜松医療センター 消化器外科), 中山 正彦(浜松医療センター 消化器外科), 山本 淳史(浜松医療センター 消化器外科), 中村 明子(浜松医療センター 消化器外科), 大菊 正人(浜松医療センター 消化器外科), 田村 浩章(浜松医療センター 消化器外科), 金井 俊和(浜松医療センター 消化器外科), 徳永 祐二(浜松医療センター 消化器外科), 池松 禎人(浜松医療センター 消化器外科), 西脇 由朗(浜松医療センター 消化器外科)
抄録 症例は76歳、男性。アルコール性肝硬変を背景にもつ肝細胞癌に対して平成21年に当院でRFAを施行され経過観察中であった。その後新たな肝腫瘤の出現などはみられていなかったが、平成25年1月に経過観察の目的で行った腹部CT検査で直腸に腫瘍を指摘された。精査を目的に行った下部消化管内視鏡検査では直腸Rbに全周性で顆粒状の低い隆起性病変を認め、同部の生検で高分化型腺癌が指摘された。術前の全身検索を目的に行ったFDG-PET-CTで、肝S6にFDGの異常集積が指摘され転移性肝腫瘍が強く疑われた。以上の結果から、直腸癌、同時性肝転移の診断で平成25年3月に腹会陰式直腸切断術および肝部分切除術を施行した。術中超音波検査で肝S6の腫瘤に加えてS4/8にも転移性腫瘍を疑わせる腫瘤が指摘されたため、同部を含めて2箇所の肝部分切除術を行った。病理学的には、直腸腫瘍では中等度の異型を示す絨毛管状腺腫の中心部に高分化管状腺腫の成分がみられ固有筋層までの浸潤が認められた。肝腫瘍については、背景肝に肝硬変の所見を認め、腫瘍の組織型は高分化管状腺癌で直腸癌の肝転移として矛盾しない結果であった。肝硬変合併例での大腸癌の肝転移例は比較的まれである。今回われわれは、診断に難渋した直腸癌同時性肝転移の1例を経験したので報告する。
索引用語 大腸癌肝転移, 肝硬変