セッション情報 一般演題

タイトル O-011:

外来での保存的治療で改善が認められた腸管嚢腫様気腫症の一例

演者 渡邉 久倫(岐阜社会保険病院 消化器科)
共同演者 印藤 敏彦(岐阜社会保険病院 消化器科), 清水 達治(岐阜社会保険病院 消化器科), 後藤 秀実(名古屋大学大学院 消化器内科学)
抄録 今回われわれは外来で内視鏡観察中の患者に認められた比較的稀な疾患である腸管嚢腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis:以下PCI)の一例を経験したので報告する。症例:72歳男性、2008年に大腸腺腫に対して内視鏡的粘膜切除術を施行され毎年経過観察のため内視鏡検査を外来にて施行されていた。経過:2011年5月に下部内視鏡検査を施行し、S状結腸に限局する大小不同な多発性隆起性病変を指摘された。NBI拡大観察では表面腺管構造の異型は無く、粘膜下腫瘍様の所見を呈していた。前年までの内視鏡検査では指摘されておらず、病変部の生検を行うと粘膜下に空洞様の所見が認められた。単純CTでは腸管壁内にガス像を確認でき、PCIと診断した。PCIは画像検査で腹腔内遊離ガス像を呈する場合があり、緊急で外科手術が行われるケースもあるが、画像検査の発達とともにその成因・病態が明らかにされ、近年では強い腹部症状や重篤な合併症を伴わない症例においては絶食安静・酸素吸入療法・漢方薬などの保存的治療が優先的に行われ、改善したとの報告も多い。今症例は外来での経過観察中に偶然発見され、身体所見・血液データなどに重篤な臨床的症状をともなっていなかったため外来での桂枝加芍薬湯・酸化マグネシウムを用いた保存的治療を行った。2011年9月に経過観察の内視鏡検査を施行、S状結腸の気腫性病変はまだ残存していたものの病変の範囲は縮小し改善傾向だった。2012年4月の内視鏡検査では気腫性病変はほぼ完全に消失しており、病変が存在した部位には白斑を認めるのみだった。まとめ:PCIの成因としては諸説あるが、今症例においては慢性的な便秘による腸管内圧の上昇が成因と考えられ、桂枝加芍薬湯・酸化マグネシウムによる便通のコントロールがなされたことにより改善が得られたものと考えられた。
索引用語 大腸, 気腫症