セッション情報 | シンポジウム2「肝胆膵疾患の診断と治療の最前線」 |
---|---|
タイトル | S2-003:一般病院における難治性C型慢性肝炎に対するテラプレビル(TPV)を含めた3 剤併用療法の使用経験 |
演者 | 長谷川 泉(社会保険中京病院 消化器科) |
共同演者 | 杉村 直美(社会保険中京病院 消化器科), 堀口 徳之(社会保険中京病院 消化器科), 石原 祐史(社会保険中京病院 消化器科), 飛鳥井 香紀(社会保険中京病院 消化器科), 高口 裕規(社会保険中京病院 消化器科), 井上 裕介(社会保険中京病院 消化器科), 戸川 昭三(社会保険中京病院 消化器科), 榊原 健治(社会保険中京病院 消化器科), 大野 智義(社会保険中京病院 消化器科) |
抄録 | 【目的】ペグインターフェロン(PEG IFN)+リバビリン(RBV)にTPVを加えた3剤併用療法は難治性C型慢性肝炎に対し高い治療効果を示すが重篤な副作用が高頻度に出現する事も知られる。今回一般病院での治療経験及び副作用について報告する。【対象】対象は3 剤併用療法導入し12週以上経過したGenotype1型かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎患者21例である。男女比11:10、開始時の年齢52(33-69)歳、体重61(45-90)kg、Hbは14.4(11.9-16.9)mg/dl、前治療歴は13例が無、5例が再燃、3例無効、肝癌合併症例はなく、IL28BのSNPSはTTメジャーアリル16例であった。TPVの開始量は2250mg/日が8例、年齢、Hb、高尿酸血症等により13例は1500mg/日とし、RBVとPEG IFNは体重別規定量とした。【成績】1.HCV-RNA陰性化:全例でHCV-RNAが陰性化し陰性化時期は4週迄に15例(71%)、8週迄に6例(29%)であった。2.副作用:(a)皮膚症状:12例(57%)に認め、Grade1が9例、Grade2が3例であった。外用薬を使用し抗アレルギー剤内服行った。Grade2の症例は皮膚科専門医併診でステロイド内服を併用し休薬せずに継続治療行い得た。(b)高尿酸血症、腎機能障害:17例(81%)で尿酸値上昇したが全例アロプリノール併用で基準値に戻った。又6例(29%)でクレアチニン上昇し、1例は補液のみ、2例は減量、3例は一時休薬を要したが1-2週間の休薬で改善し再開継続治療とした。(c)血球異常:1例を除き全例に何らかの血球減少を認めた。3.減量・休薬と進捗状況:何らかの理由で全例減量した。PEG IFN は8例(38%)、RBVは18例(86%)、TPVは17例(81%)であった。休薬は5例で行い、内3例はクレアチニン上昇、貧血2例、腎盂腎炎1例、胆嚢炎1例であった(重複あり)が、いずれも保存的に改善し再開継続治療可となった。治療終了(中止例含む)は11例で全例ウイルス陰性化した。又終了24週後判定で治療完遂した4例は全例SVRが得られた。1例は倦怠感、嘔吐で中止しその後に再陽性化した。【結語】厳重なフォローと臨機応変な副作用対応ができれば3剤併用療法は有効な治療であることが示唆された。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, テラプレビル |