セッション情報 一般演題

タイトル O-129:

インターフェロン・リバウンド療法にてSVRが得られた難治性C型慢性肝炎の一例

演者 橋詰 清孝(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科)
共同演者 大久保 賢治(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 森田 清(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 竹内 淳史(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 清水 潤一(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 松井 健一(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 横山 晋也(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 石田 哲也(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 三浦 正博(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 西村 大作(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 片田 直幸(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科)
抄録 【症例】62歳男性【既往歴】右顔面神経麻痺、右眼瞼下垂手術、高尿酸血症、高血圧【家族歴】特記事項なし【嗜好歴】特記事項なし【輸血歴】7歳の時に交通事故で輸血【現病歴】1975年肝炎を指摘。2006年他院にてPEG-IFNα2bとRibavirinにて治療開始。治療開始から12週間経過してもHCV-RNA量低下は2.0log未満であり、ALT低下なく中止。2006年4月当院受診となった。当院受診後は血清鉄高値もあり、瀉血を繰り返し施行していたが、2010年5月よりIFNの再治療を行うこととなった。【検査成績】T.bil 0.8mg/dl、AST 21IU/ml、ALT 37IU/ml、Alb 3.9g/dl、Hb 15.4g/dl、Plt 15.5×104/mm3、PT 81.7%、KL-6 239U/ml、SPD 57.9ng/ml、ヒアルロン酸 25ng/ml、4型コラーゲン7s 4.6ng/ml、HCV-RNA量6.1LogIU/ml、genotype 1b、IL28B TG、肝生検F1/A1。【経過】IFN再治療として、二重濾過血漿交換療法(DFPP)とPEG-IFNα2aとRibavirinを併用したVRAD(virus removal and eradication by DFPP)を選択。治療開始後20週目にHCV-RNAは陰性化し、その後60週目にわずかに検出を認めたが64週目には再度陰性化し、72週のIFN治療を終了した。その4週後再燃し、経過をみていたところ、IFN投与終了後12週目にHCV-RNA量の低下を認めた。インターフェロン・リバウンド療法(TIRT:Two-step Interferon Rebound Therapy)の適応と判断し、PEG-IFNα2aのmonotherapyを開始。TIRT開始後2週間後にはHCV-RNAは陰性化し、24週の単剤療法終了後も再燃することなくSVRが得られた。【考察】IFN治療再燃例において、HCV-RNA量の低下を認めることがあり、その場合TIRTは非常に有効な治療法と考えられる。本症例はIL28BがTGの難治例にもかかわらずSVRが得られた。TIRTによる治療ではIL28Bの遺伝子多型に関わらずSVRが得られる可能性があり、今後も検討が必要である。【結語】難治性C型慢性肝炎の治療では、対象を選択することでTIRTも有用であると考えられた。
索引用語 TIRT, 難治性C型慢性肝炎