セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-133:

C型慢性肝炎に対しインターフェロン治療によりSVRが得られた後,13年後に発症した肝細胞癌の1例

演者 高鳥 真吾(磐田市立総合病院 消化器内科)
共同演者 笹田 雄三(磐田市立総合病院 消化器内科), 伊藤 潤(磐田市立総合病院 消化器内科), 森川 友裕(磐田市立総合病院 消化器内科), 西垣 信宏(磐田市立総合病院 消化器内科), 辻 敦(磐田市立総合病院 消化器内科), 高橋 百合美(磐田市立総合病院 消化器内科), 斎田 康彦(磐田市立総合病院 消化器内科), 犬飼 政美(磐田市立総合病院 消化器内科), 神藤 修(磐田市立総合病院 消化器外科), 落合 秀人(磐田市立総合病院 消化器外科), 鈴木 昌八(磐田市立総合病院 消化器外科)
抄録 【症例】68歳、男性【主訴】なし【現病歴】55歳時の健診にて肝機能異常を指摘され当科にて当科受診。C型慢性肝炎と診断しインターフェロン(IFN)治療にてウイルス学的著効(SVR)となった。その後近医にて定期的な腹部エコー検査を施行されてた。68歳時のエコー検査にて肝右葉に腫瘍性病変が疑われ当科紹介受診。造影CT検査にて肝右葉S8に37mm大の動脈相で濃染し門脈相で低濃度域となるSOLを認めた。EOBプリモビストによる造影MRI検査では早期相にて濃染し肝細胞相にて相対的に低信号を示した。精査の結果、肝細胞癌と診断し肝予備能も良好であったため外科的手術を施行した。病理診断では中分化型肝細胞癌であり肝内転移や軽度静脈浸潤や門脈浸潤も認められた。背景肝は肝硬変でありIFN施行時の背景肝(A2F2)から線維化の進行が認められた。【考案】C型慢性肝炎に対するIFN治療の進歩によりSVR後の発癌が近年報告されるようになった。SVR後の発癌危険因子としては肝線維化進行例、男性、IFN開始時高齢(55歳以上)が知られている。その他にも近年になりアルコール摂取、HBV感染、糖尿病、肥満などがリスクとして報告されるようになってきている。本症例はSVR後も飲酒を継続しており肝線維化の進行や発癌に関与していた可能性が示唆される。SVR後も長期間にわたる継続したフォローアップが必要であるとともにリスク因子に応じたフォローアップ方法の確立が望まれる。
索引用語 肝細胞癌, SVR