セッション情報 一般演題

タイトル O-039:

結核性腹膜炎の2例

演者 木全 政晴(聖隷浜松病院 消化器内科)
共同演者 海野 修平(聖隷浜松病院 消化器内科), 瀧浪  将貴(聖隷浜松病院 消化器内科), 小林 陽介(聖隷浜松病院 消化器内科), 田村 智 (聖隷浜松病院 消化器内科), 芳澤 社(聖隷浜松病院 消化器内科), 舘野 誠(聖隷浜松病院 消化器内科), 室久 剛(聖隷浜松病院 消化器内科), 熊岡 浩子(聖隷浜松病院 消化器内科), 清水 恵理奈(聖隷浜松病院 消化器内科), 細田 佳佐(聖隷浜松病院 消化器内科), 長澤 正通(聖隷浜松病院 消化器内科), 佐藤 嘉彦(聖隷浜松病院 消化器内科)
抄録 【症例1】57歳男性【現病歴・経過】生来健康。2008年6月に腹満感を自覚し、近医受診。腹部超音波およびCTにおいて、大量の腹水を指摘されるも、腹部の腫瘍性病変や肝臓、門脈に形態的な異常所見は認めず、同7月当科紹介入院。腹水試験穿刺において黄色軽度混濁した滲出性腹水を認め、細胞診陰性、一般細菌培養、抗酸菌培養およびPCR陰性なるも腹水ADAは99と高値であった。PET-CTにおいて、左右縦隔にリンパ節腫大が疑われるも、肺野や腹部に異常集積なく、上下部内視鏡においては上行結腸に腺腫を認めるのみであった。血中クオンティフェロン陽性より結核性腹膜炎を疑い、入院第16病日よりINH、RFP、EB、PZAの4者併用療法を開始、肝機能障害のためPZA中止。腹水は著明に減少し、第37病日軽快退院。INH、PFP、EBは9ヵ月継続し、腹水は消失した。【症例2】58歳女性【現病歴・経過】生来健康。2012年10月に微熱、腹満感を自覚し、近医の腹部超音波で腹水を指摘され当科紹介。CTにおいて、中等量の腹水と腹膜の肥厚を指摘、CA125が1231と高値につき癌性腹膜炎を疑われるが、上部消化管内視鏡および婦人科的精査においても悪性腫瘍は認めず、大腸内視鏡において回盲部に不整形の浅い潰瘍が多発し、生検にて類上皮性肉芽腫を認めた。腹水試験穿刺では細胞診陰性、一般細菌培養、抗酸菌培養およびPCR陰性なるも、腹水ADAは86と高値であった。血中クオンティフェロン陽性より結核性腹膜炎を疑い、11月よりINH、RFP、EB、PZAの4者併用療法を開始、12月の腹部超音波において腹水の著明な減少がみられた。PZAは2ヵ月間内服し中止。INH、PFP、EB継続にて経過観察中。【考察】原因の特定困難な腹水を診た場合、結核性腹膜炎も念頭におくことが重要と思われた。
索引用語 腹水, 結核性腹膜炎