セッション情報 一般演題

タイトル O-054:

臨床的に胃梅毒と診断した一例

演者 菊池 正和(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学)
共同演者 宮原 良二(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部), 古川 和宏(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 鶴留 一誠(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 山本 富美子(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 松崎 一平(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 横山 敬史(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部), 中村 正直(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部), 渡辺 修(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 前田 修(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学DELIMITER名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部)
抄録 【緒言】梅毒に伴う胃病変は比較的稀な疾患である。平成20年から平成25年の期間で医中誌にて「梅毒、胃病変」で症例を検索したところ26症例の報告を認めた。胃梅毒は上腹部痛を主症状とすることが多く、その内視鏡像は、(1)幽門前庭部に好発する、(2)粘膜は顆粒状や浮腫状、発赤や易出血性、皺壁肥厚を呈することもある、(3)多発するびらんや潰瘍などの陥凹を呈する病変から、(4)特異な扁平隆起性病変や多発する粘膜下の結節性病変といった隆起を呈する病変まで見られ、その多彩性が特徴的であると報告されている。今回我々は上部消化管内視鏡所見及び梅毒血清反応陽性から胃梅毒を疑い、治療的診断を行い症状の改善が得られた症例を経験したので報告する。【症例】23歳男性 【既往歴】特になし 【現病歴】平成24年12月末頃より体幹に紅斑が出現した。同時期に嘔気、食後腹痛が出現。症状が続き翌年1月29日に当院消化器内科受診。2月12日に上部消化管内視鏡を施行したところ、前庭部を中心に体下部小彎にかけて広範にびらん・小潰瘍を伴う不整な陥凹性病変を認めた。同病変から採取した検体の病理所見は、リンパ球、形質細胞、組織球浸潤からなる炎症のみの所見であった。梅毒血清反応を定量したところRPR法128倍、TPHA法5120倍と強陽性であった。また詳細な問診により感染の機会が平成24年11月にあったことが判明した。その後に皮膚科医の診察にて陰嚢に類円形紅斑、躯幹と四肢にごく淡い紅斑を認め、梅毒2期と診断された。Amoxicillinの内服を開始したところ、皮疹と同様に腹部症状も徐々に改善した。現在も内服加療中である。【結語】臨床的に梅毒と診断した稀な一例を経験した。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 梅毒, 胃