セッション情報 一般演題

タイトル O-106:

バーチャル小腸内視鏡が有用であった、非特異性多発性小腸潰瘍症の一例

演者 白根 尚文(静岡県立総合病院 消化器内科)
共同演者 松田 昌範(静岡県立総合病院 消化器内科), 吉川 俊之(静岡県立総合病院 消化器内科), 鈴木 直之(静岡県立総合病院 消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院 消化器内科), 山田 友世(静岡県立総合病院 消化器内科), 重友 美紀(静岡県立総合病院 消化器内科), 榎田 浩平(静岡県立総合病院 消化器内科), 菊山 正隆(静岡県立総合病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】狭窄を有する小腸疾患では、全小腸を観察することは容易でない。また狭窄の位置を客観的に示すことはしばしば困難である。我々はこれらの問題を解決する一つの手段として、CTにより小腸を立体的に描出するバーチャル小腸内視鏡を小腸病変の検索に積極的に活用している。今回バーチャル小腸内視鏡が、非特異性多発性小腸潰瘍症の術前検査として有用であった症例を経験したので報告する。【症例】39歳女性。低アルブミン血症と消化管通過障害の精査目的に入院となった。上部消化管内視鏡と下部消化管内視鏡検査で特記すべき異常を認めなかった。出血シンチで6時間後に回腸に異常集積を認めた。小腸造影でトライツ靭帯から肛門側約1mの範囲に4か所の狭窄が疑われた。経口的バルーン内視鏡で、トライツ靭帯から数十cmと思われるところに、軽度の狭窄と、ピンホール状の狭窄を認め、後者より深部の観察は不可能であった。バーチャル小腸内視鏡は、イレウスチューブから小腸に空気を注入し、64列マルチスライスCTで撮像後、バーチャル大腸内視鏡用プログラムにより画像を再構築した。バーチャル小腸内視鏡で、全小腸が312cmの長さで描出され、輪状狭窄をトライツ靭帯から81, 89, 100, 114, 116cmに認めた。術前には原因を示唆する特異的所見は得られず、通過障害の解除を目的として手術を施行した。小腸はトライツ靭帯から58-138cmと218-225cmの二か所に分けて切除した。トライツ靭帯から58, 71, 90, 130, 138, 218, 225cmに輪状潰瘍による狭窄を認めた。手術標本を用いた病理組織学的検討でも特異的所見を認めなかったことから、いわゆる非特異性多発性小腸潰瘍症と診断した。【考察】小腸造影とバルーン内視鏡で小腸の多発狭窄が指摘されたが、位置情報のあいまいさなどから手術標本との対比は困難であった。一方、バーチャル内視鏡展開像上に病変情報をプロットして作成した小腸マップは、摘出標本の肉眼所見とよく一致していたが、肛門側の2病変は指摘できなかった。【結語】バーチャル小腸内視鏡は、多発性小腸狭窄症例の術前評価に有用である。
索引用語 バーチャル内視鏡, 非特異性多発性小腸潰瘍症