セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | O-113:腸間膜リンパ節腫大の2例 |
演者 | 川田 三四郎(磐田市立総合病院 外科) |
共同演者 | 福本 和彦(磐田市立総合病院 消化器外科), 鳥居 翔(磐田市立総合病院 外科), 嘉山 貴文(磐田市立総合病院 外科), 小坂 隼人(磐田市立総合病院 外科), 神藤 修(磐田市立総合病院 消化器外科), 宇野 彰晋(磐田市立総合病院 消化器外科), 深澤 貴子(磐田市立総合病院 消化器外科), 稲葉 圭介(磐田市立総合病院 消化器外科), 松本 圭五(磐田市立総合病院 消化器外科), 落合 秀人(磐田市立総合病院 消化器外科), 鈴木 昌八(磐田市立総合病院 消化器外科), 北村 宏(磐田市立総合病院 消化器外科) |
抄録 | 腸間膜リンパ節腫大を認めた際に、悪性リンパ腫や他の炎症性疾患との鑑別が困難であり病理学的評価により初めて診断が得られる場合も少なくない。今回我々は2例の腸間膜リンパ節腫大症例を経験したので文献的考察を加え報告する。 【症例1】 63歳男性。検診での腹部USにて左上腹部に4cm大の腫瘤を指摘され、精査加療目的に当院紹介受診。腹部造影CTでは臍左側に動脈相で均一に造影される辺縁明瞭な腫瘤を認め、Gaシンチグラフィーでは同部位に集積あり。血液検査では血沈亢進、CRP4.9mg/dlと上昇みられたが、sIL-2Rや腫瘍マーカーの上昇はなかった。小開腹にて、SMV近傍の空腸間膜に4cm大の腫瘍を確認できた。血管への巻き込みはなく腸管切除を行わずに腫瘍のみ核出した。病理所見では濾胞間の形質細胞増加や血管増生や硝子化様間質を認めCastleman病と診断された。摘出後7週間経過した現在、再発徴候認めていない。 【症例2】 56歳男性。40℃を越える発熱、下痢の後に腹痛が出現し、近医受診。血液検査にて炎症所見あり、腹部US、CTにて小腸間膜に5×3cmの腫瘤を認め精査加療目的に当院紹介受診。腹部造影CTでは腫瘍はさらに増大し、SMVは腫瘍により閉塞、SMA分枝は腫瘍内を貫通しencasementは認めなかった。Gaシンチグラフィーでは腫瘤部に高集積を認め、鑑別として悪性リンパ腫、IgG4関連疾患、Castleman病等が挙げられた。sIL-2R、IgG4は基準範囲内、IL-6は軽度高値であった。腫瘍の完全切除のためには小腸および結腸の大量切除となるため、開腹生検施行。迅速病理診断ではリンパ腫も疑われたが、永久標本の病理所見ではリンパ球の増殖を認めず腸間膜リンパ節炎と診断された。抗生剤も投与せず経過観察としたが、発熱下痢の再燃は認めなかった。生検後6週間の腹部CTでは腫瘤は1.5cm程度まで縮小していた。 |
索引用語 | 腸間膜, リンパ節腫大 |