セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-055:

びまん性胃粘膜下異所腺を伴う早期胃癌の1例

演者 春田 明範(半田市立半田病院 消化器内科)
共同演者 神岡 諭郎(半田市立半田病院 消化器内科), 水野 和幸(半田市立半田病院 消化器内科), 山田 啓策(半田市立半田病院 消化器内科), 川口 彩(半田市立半田病院 消化器内科), 岩下 紘一(半田市立半田病院 消化器内科), 森井 正哉(半田市立半田病院 消化器内科), 大塚 泰郎(半田市立半田病院 消化器内科), 肥田野 等(半田市立半田病院 消化器内科)
抄録 【症例】60歳代 男性
【既往歴】特記事項なし
【家族歴】特記事項なし
【現病歴】2012年○月、直腸癌を疑い当院紹介となった。スクリーニングの上部消化管内視鏡検査にて胃体中部大彎後壁側にやや褪色調でひだの腫大を来たし中心に陥凹を有する病変を認め、病理組織検査は中分化腺癌であった。
粘膜下層浸潤(sm)癌の可能性を疑い超音波内視鏡検査を施行したが腫瘍は第2層にとどまり深部浸潤の所見はなく、第3層に多発するcystic lesionを認め、これらが粘膜下浸潤を疑うひだの腫大を形成していた。以上より深達度mと診断し周囲生検陰性であることを確認したのち内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行った。
摘出した検体の病理組織結果は中分化腺癌で粘膜下層への明らかな浸潤は認めず、粘膜下層にはのう胞状に拡張した胃粘膜下異所腺を認めた。
【考察】びまん性胃粘膜下異所腺は稀であり、早期胃癌を合併すると内視鏡的に深達度診断に影響を与えるとの報告もある。本症例も当初は粘膜下層浸潤を疑ったが、超音波内視鏡検査などを併用し粘膜内病変と診断し内視鏡的粘膜下層剥離術にて治癒した一例を経験したので報告する。
索引用語 早期胃癌, DCM