セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | O-071:閉塞性黄疸を伴う石灰乳胆汁に対し、ERBDが奏功した一例 |
演者 | 大徳 晋久(市立島田市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 尾上 峻也(市立島田市民病院 消化器内科), 石橋 浩平(市立島田市民病院 消化器内科), 間渕 裕行(市立島田市民病院 消化器内科), 高橋 正彦(市立島田市民病院 消化器内科), 金山 広和(市立島田市民病院 消化器内科), 松下 雅広(市立島田市民病院 消化器内科), 森下 宗自(市立島田市民病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】患者は57歳男性。2012年7月14日、心窩部痛を主訴に当科を受診した。腹部エコーで胆石性胆嚢炎、総胆管拡張を認め、血液検査ではT-Bil4.78mg/dl、ALP795IU/L、AST342IU/L、ALT387IU/L、γGTP1131IU/Lと閉塞性黄疸の所見を呈しており、精査加療目的にて当科入院となった。各種画像検査では、石灰乳胆汁による閉塞性黄疸と考えられた。ESTを考慮したが、比較的若年であり、乳頭機能温存を目的にERBDにより治療を選択した。ERBD後、胆管炎、胆嚢炎、閉塞性黄疸は改善を認めた。待機的に胆嚢摘出術を予定し8月4日退院となった。【考察】石灰乳胆汁はcalcium carbonateが胆汁中に析出することにより生じる稀な病態である。その成因は十分明らかではないが、胆嚢管の閉塞や狭窄が必須条件であり、炎症が加わることによりカルシウムが析出する。即ち、こういった条件下では胆嚢内胆汁がアルカリ性に傾き、pH6.6以上となるとcalcium carbonateが析出するとされる。その治療については、石灰乳胆汁の形状、粘度、硬度は様々であり、通常は外科的切除とされている。自然流出の報告もあるが、ERBDで閉塞性黄疸を解除し得た石灰乳胆汁の例は比較的稀である。今回、我々は乳頭機能温存を考慮し、ERBDで閉塞性黄疸を解除し得た石灰乳胆汁の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 石灰乳胆汁, ERBD |