セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル O-006:

卵巣癌術後16年後に切除された転移性大腸癌の1例

演者 小島 健太郎(岐阜市民病院 消化器内科)
共同演者 渡邊 千明(岐阜市民病院 消化器内科), 渡邊 諭(岐阜市民病院 消化器内科), 高木 結衣(岐阜市民病院 消化器内科), 黒部 拓也(岐阜市民病院 消化器内科), 渡部 直樹(岐阜市民病院 消化器内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院 消化器内科), 鈴木 祐介(岐阜市民病院 消化器内科), 小木曽 富生(岐阜市民病院 消化器内科), 川出 尚史(岐阜市民病院 消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院 消化器内科), 林 秀樹(岐阜市民病院 消化器内科), 杉山 昭彦(岐阜市民病院 消化器内科), 西垣 洋一(岐阜市民病院 消化器内科), 加藤 則廣(岐阜市民病院 消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院 消化器内科), 山田 鉄也(岐阜市民病院 中検病理)
抄録 患者は70歳女性。1995年に卵巣癌の診断により他医で両側卵巣摘出術を受けた。その後はとくに自覚症状はみられなかったが、2011年3月に下腹部不快感を主訴に近医を受診。大腸内視鏡検査(CF)で S状結腸に粘膜下腫瘍様病変(SMT)を指摘され、2011年9月に当科に精査紹介となった。当科のCFでは同部位に中央に深い陥凹性病変を伴うSMTを認めた。超音波内視鏡検査では壁外から大腸内に浸潤する低エコー領域を認め、壁外病変から大腸へ浸潤を疑う所見であった。また腹部CTではS状結腸の壁肥厚と、外側近傍にリンパ節転移を疑う複数の結節および右横隔膜下の肝表面に腫瘤性病変を認めた。肝MRIでは右横隔膜下とS6にT2強調画像で高信号を示す播種性病変がみられた。またPET-CTでも同様の部位に集積像の所見がみられた。CFでの同部位からの生検結果は腺癌であり、免疫組織染色ではCA125陽性、CEA陰性、また核にはエストロゲンレセプター(ER)やプロゲステロンレセプター(PgR)が発現していた。一方、非腫瘍性の大腸粘膜上皮はCA125陰性、CEA陽性、ER陰性、PgR陰性であった。以上より卵巣癌の再発転移によるS状結腸への転移性大腸癌および腹膜播種と診断した。2011年10月に当院外科でS状結腸切除術を施行した。切除標本の病理診断により確定診断に至った。2012年1月より当院産婦人科で継続的にPTX+CBDCAの化学療法を施行中である。また経過観察の腹部CT像では肝および腹腔内の播種性病変は縮小傾向がみられ、病状は安定している。今回我々は、卵巣癌術後16年目に同癌の再発による腹腔内播種性病変を伴った転移性大腸癌の稀な1例を報告した。
索引用語 転移性大腸癌, 卵巣癌