セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 122:過去10年間の当院におけるHIV感染症非合併急性B型肝炎の検討 |
演者 | 久野 剛史(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科) |
共同演者 | 平嶋 昇(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 後藤 百子(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 水田 りな子(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 浦田 登(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 江崎 正哉(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 加藤 文一朗(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 喜田 裕一(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 田中 優作(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 龍華 庸光(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 桶屋 将之(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 都築 智之(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 島田 昌明(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科), 岩瀬 弘明(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科) |
抄録 | 【目的】近年Genotype A型(G-A)急性B型肝炎(AH-B)の発症が増加し日本国内にも蔓延している。そこで過去10年間の当院におけるHIV感染症非合併急性B型肝炎をGenotypeごとに臨床的に検討した。【方法】2002年9月から2013年5月まで約10年間に当院を受診したHIV非合併急性B型肝炎30例のうちGenotypeを特定できた27例を対象とした。HBs抗原陽性、IgMHBc抗体陽性、他の肝炎の原因が血清学的検査で否定された症例をAH-Bと診断した。AH-BをGenotype A型(G-A)とGenotype B,C型(G-B,C)に分けて、ALT最高値、Bil最高値、PT%最低値、HBV-DNA量最高値、HBs抗原が陰性化するまでの日数、HBs抗体が陽性化するまでの日数、慢性化、重症化についてretrospectiveに検討した。GenotypeはPCR-RFLP法で測定した。【成績】HIV非合併急性B型肝炎のうちG-Aは16例(59%)、G-Bは3例(11%)、G-Cは8例(30%)であった。G-A、G-B,Cの順にALT最高値 1845±656 vs 2188±827 IU/L、Bil最高値 8.4±9.0 vs 8.5±4.6 mg/dl、PT最低値 78±15 vs 87±17 %、HBV-DNA量最高値 7.2±1.7 vs 5.2±1.4 LogIU/ml(P=0.01)、HBs抗原が陰性化するまでの日数 98±91 vs 97±52、HBs抗体が陽性化するまでの日数 181±213 vs 185±52 、慢性化 1例 vs 0例、G-A群にPT%=45%まで低下し重症化を懸念した症例を認めた。G-A群ではALT値最高値は低いが、PT値は低くなる傾向を認めた。またHBV-DNA量最高値は有意に高かった。Bil最高値、HBs抗原が陰性化するまでの日数、HBs抗体が陽性化するまでの日数にはいずれも傾向を認めなかったが、HBs抗体出現に314日を要した症例を経験した。慢性化したG-A群の34歳症例は、インターフェロンαを24週投与して軽快した。重症化を懸念したG-A群の58歳症例は、PT値が45%まで低下し重症化が心配されたため、HIV陰性を確認のうえ第8病日よりEntecavirを投与したところ軽快した。【結論】過去10年間の当院におけるGenotype A型急性B型肝炎は30例中16例(59%)と多数を認め、中には慢性化や重症化を懸念する症例を認めた。 |
索引用語 | 急性B型肝炎, A型 |