セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 058:

膵癌と肝細胞癌を合併した一切除例

演者 伊藤 達也(伊勢赤十字病院 消化器内科)
共同演者 川口 真矢(伊勢赤十字病院 消化器内科), 村林 桃士(伊勢赤十字病院 消化器内科), 三浦  広嗣(伊勢赤十字病院 消化器内科), 高見 麻佑子(伊勢赤十字病院 消化器内科), 山本 玲(伊勢赤十字病院 消化器内科), 山村 光弘(伊勢赤十字病院 消化器内科), 東谷 光庸(伊勢赤十字病院 消化器内科), 大山田 純(伊勢赤十字病院 消化器内科), 福家 博史(伊勢赤十字病院 消化器内科), 矢花 正(伊勢赤十字病院 病理部)
抄録 【症例】67歳男性。【既往歴】平成17年S状結腸癌手術【現病歴】平成24年1月中咽頭癌発見時のPET-CTにて膵体部に集積を認めたが、中咽頭癌の化学放射線療法を優先されていた。中咽頭癌治療後、膵体部腫瘤精査目的に、同年6月当科紹介受診となった。【当科紹介時検査所見】HBs-Ag:(-)、HCV-Ab:(+)、PIVKA-IIは8926mAU/mlと高値であり、AFP、DUPAN-2、CA19-9は正常範囲内であった。膵腫瘤は腹部CTで体尾部の主膵管拡張を認めるが、明らかな腫瘤性病変は認めず、MRCPでは膵体部に1cm程度の主膵管描出不良を認めた。EUSでは膵管狭窄部に一致して径16mm×11mmの辺縁不整な低エコー腫瘤が描出され、膵癌が第一に疑われた。また、CTにて肝S8に径16mmの腫瘍も同時に指摘された。肝腫瘤は腹部エコーでは周囲にハローを伴う低エコー腫瘤で、CTでは早期濃染、遅延相にてWash outされるため、肝細胞癌と診断された。治療方針決定のため、膵腫瘤に対してEUS-FNAを施行し、adenocarcinomaと診断された。以上より、膵体部癌及び肝細胞癌と診断し、外科にて膵体尾部切除・脾摘出術・肝部分切除・胆嚢摘出術が施行された。手術標本にて浸潤性膵管癌pT2N1M0,StageIIB(UICC)、高分化型肝細胞癌pT2N0M0,StageIIと確定診断された。手術後、膵癌に対して、補助化学療法としてGemcitabine6クールを施行した【考察】膵癌に肝細胞癌を重複する例は0.13%と報告されている。他の重複癌と比較して少ない要因としては、膵癌の予後が悪いことが影響していると考えられる。今回は同時性に合併したさらにまれな症例と考えられ、報告する
索引用語 膵癌, 重複癌