セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 111:

アダリムマブ投与中に発症した肝膿瘍の1例

演者 安田 聡史(蒲郡市民病院 消化器内科)
共同演者 成田  幹誉人(蒲郡市民病院 消化器内科), 成田  圭(蒲郡市民病院 消化器内科), 佐宗  俊(蒲郡市民病院 消化器内科), 加藤  裕史(蒲郡市民病院 皮膚科), 小田  雄一(蒲郡市民病院 消化器内科), 安藤  朝章(蒲郡市民病院 消化器内科)
抄録 【症例】49歳 男性【既往歴】41歳 尋常性乾癬 2012年6月よりアダリムマブ投与開始。【現病歴】2013年2月28日より熱発を認め、同日当院受診。来院時体温39℃、悪寒、戦慄を認めた。血液・生化学検査にて炎症反応上昇(WBC11000、好中球75%、CRP20.0)及び肝・胆道系酵素上昇(AST 62U/l、ALT 88U/l、γ‐GTP 138 U/l)を認め、腹部CTにて肝右葉に6.2×7.6cm大の境界不明瞭な淡い低吸収域を認めた。造影CTでは、辺縁は不整で、不均一な造影効果を示した。以上より、肝膿瘍と診断し、経皮的肝膿瘍ドレナージ術を施行した。ドレナージ液は淡血性であり、細菌培養検査により菌は検出されなかった。入院後、抗生剤(SBT/CPZ)投与したが、熱発改善せず、抗生剤をMEPMに変更し生食による肝膿瘍の洗浄により症状の改善をみた。3月13日ドレナージチューブ造影では、膿瘍腔と胆管との交通は認めなかった。その後、症状改善、膿瘍縮小し、4月2日ドレナージチューブ抜去となり、現在経過観察中である。【考案】アダリムマブは、完全人型TNF-α阻害剤であり、関節リウマチやクローン病、乾癬で適応となっている。副作用として重篤な感染症、結核、間質性肺炎などがある。肝膿瘍の発生頻度は0.02%という報告があり、比較的稀な副作用と考えられる。我々はアダリムマブ投与中に肝膿瘍の発生した症例を経験したので報告する。
索引用語 肝膿瘍, アダリムマブ