セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 096:当院における多発肝腫瘍に対するEUS-FNAの検討 |
演者 | 井上 匡央(岐阜県立多治見病院 消化器内科) |
共同演者 | 奥村 文浩(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 鈴木 雄太(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 市川 紘(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 福定 繁紀(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 加地 謙太(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 安部 快紀(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 岩崎 弘靖(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 西江 裕忠(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 西 祐二(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 水島 隆史(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 佐野 仁(岐阜県立多治見病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年、膵病変や腫大リンパ節、粘膜下腫瘍に対する超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)は広く普及しつつあり、当院でも2008年より本格導入している。一方で肝病変に対するEUS-FNAはまとまった報告が極めて少ない。当院ではリンパ節など肝腫瘍以外にも同時に組織採取が必要な場合や、病変が消化管近傍に位置する場合などEUS下での肝腫瘍生検を試みており、その有用性と安全性について検討した。【方法】対象は2008年1月から2013年9月までに当院にてEUS-FNAを行った202例のうち、多発肝腫瘍の6症例。症例の内訳は、遠隔転移を伴い画像所見が典型的でなくレジメン選択のため病理学的診断を要した3例、他臓器癌の再発転移と原発性肝癌との鑑別を要した3例であり、穿刺対象は肝左葉が3例、右葉が3例であった。使用機器は内視鏡GF-UCT240またはGF-UCT260(Olympus Medical Systems)、観測装置EU-ME1(Olympus Medical Systems)、穿刺針はEcho-Tip Ultra 22/25G(Cook Medical)、またはExpect 22/25G(Boston Scientific)を使用した。【結果】穿刺経路は経胃4例、経十二指腸2例、穿刺針別では22Gが4例、25Gが2例であった。検体採取率および正診率は共に100%(6/6)であり、手技関連偶発症は1例も認めなかった。全例で免疫染色が可能であり、最終病理結果は肝細胞癌3例、転移性肝腫瘍2例、肝内胆管癌1例であった。【結論】多発肝腫瘍では肝細胞癌と肝内胆管癌の鑑別や、他臓器癌の治療後で再発転移と原発との鑑別を要する症例などがあり、病理組織結果によってその後の治療法が異なる場合がある。今回の検討では肝腫瘍に対するEUS-FNAは、免疫染色を含めた診断に十分な組織採取が可能であった。経皮的肝生検が困難な場合等において、肝腫瘍に対するEUS-FNAは試みるべき手段と思われた。 |
索引用語 | EUS-FNA, 肝腫瘍 |