セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 007:

化学療法が著効した肝転移を伴った胃小細胞癌の1例

演者 倉田 祥行(名古屋掖済会病院 消化器科)
共同演者 神部 隆吉(名古屋掖済会病院 消化器科), 大橋 暁(名古屋掖済会病院 消化器科), 岩田 浩史(名古屋掖済会病院 消化器科), 水谷 佳貴(名古屋掖済会病院 消化器科), 泉 千明(名古屋掖済会病院 消化器科), 西川 貴広(名古屋掖済会病院 消化器科), 奥籐 舞(名古屋掖済会病院 消化器科), 橋口 裕樹(名古屋掖済会病院 消化器科)
抄録 【症例】67歳男性
【既往歴】不安定狭心症、糖尿病、胆石手術
【現病歴】2011年2月食思不振・体重減少にて初診。腹部CTにて肝内に多発する腫瘤と胃壁の肥厚所見を認め、精査加療目的に入院となる。
【検査所見】上部内視鏡検査にて噴門部小弯側に周囲にながらかな立ち上がりを伴った不整潰瘍性病変を認めた。生検にて分化度の低い癌組織を認め、免疫組織学的検索にてchromogranin A、synaptophsin、CD56陽性で小細胞癌の所見であった。また血液検査にてProGRP 6850pg/ml、NSE 136.0ng/mlと腫瘍マーカーは著増していた。肺には明らかな病変を認めず、胃原発小細胞癌・多発肝転移と診断した。
【経過】肺小細胞癌の治療に準じてCBDCA(AUC5 day1)+ETP(80mg/m2 day1-3)のレジメンにて治療を開始した。1クール終了後にgrade3の好中球減少を認めたため2クール目から1段階減量して施行したが、以後は特に問題なく治療継続可能であった。1クール終了時にProGRP 838.0pg/ml、NSE 8.4ng/mlと著明な改善を認め、4クール終了時にはいずれも正常範囲内となった。4クール終了時の上部内視鏡検査にて腫瘍の瘢痕化を認め、生検でも腫瘍細胞を認めなかった。6クール終了時の腹部CTにて肝転移の消失を認めた。現在治療開始より2年6か月が経過、43クールまで施行し再発所見を認めていない。
【結語】胃小細胞癌は発見時にすでに高度に進行していることが多く予後不良とされている。今回我々は肝転移を伴った胃小細胞癌に対し化学療法が著効し長期生存をえている症例を経験したので報告する。
索引用語 胃小細胞癌, 化学療法