セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 065:

多発肝転移を有する膵神経内分泌癌に対して化学療法を行い一時奏効した1例

演者 齋藤 高志(小牧市民病院 消化器科)
共同演者 平井 孝典(小牧市民病院 消化器科), 宮田 章弘(小牧市民病院 消化器科), 舘 佳彦(小牧市民病院 消化器科), 小原 圭(小牧市民病院 消化器科), 小島 優子(小牧市民病院 消化器科), 灰本 耕基(小牧市民病院 消化器科), 佐藤 亜矢子(小牧市民病院 消化器科), 飯田 忠(小牧市民病院 消化器科), 和田 啓孝(小牧市民病院 消化器科), 永井 真太郎(小牧市民病院 消化器科), 濱崎 元伸(小牧市民病院 消化器科)
抄録 【背景】膵神経内分泌腫瘍に対して分子標的薬であるエベロリムスとスニチニブが保険適応となったが、膵神経内分泌癌に対しては標準治療が存在せず、肺小細胞癌に準じた化学療法が有用とされる。今回、多発肝転移を有する膵神経内分泌癌に対して肺小細胞癌のレジメンに準じて化学療法を行い一時的にPRとなった1例を経験した。【症例】82歳 男性【現病歴】2012年3月腹部膨満感を主訴に当院受診し、急性膵炎疑いにて入院した。【現症】貧血・黄疸なし。腹部に圧痛を軽度認めた。【入院時検査】P-AMY 713.6 IU/lと著明な上昇認め、肝胆道系酵素の軽度上昇がみられた。腫瘍マーカーはNSE 21.7ng/mlと軽度上昇認めた。腹部CTで総胆管の拡張あり、MRIのDWIでは高信号を示す腫大したリンパ節を認めた。狭窄精査のためMRCPとERCPを行い、下部胆管と主膵管に狭窄を認めたため狭窄部を生検した。病理像によって膵神経内分泌癌と診断された。外科切除を試みたが、肝表面に転移を認め、試験開腹のみとなった。その後1st lineとしてカルボプラチン+エトポシドを行ったがPDとなり、2nd lineはシスプラチン+イリノテカンを行った。3コース終了時に原発巣・肝転移・リンパ節転移ともに縮小していた。しかし5コース後PDとなり、3rd lineとしてエベロリムス投与を行ったが原発巣と肝転移は増悪し、現在中止となっている。【結語】膵神経内分泌癌に対してシスプラチン+イリノテカンによりPRが認められ、生存期間を延長させた一例を経験した。
索引用語 膵神経内分泌癌, 化学療法