セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 071:健診を契機に発見された後上膵十二指腸動脈瘤の一例 |
演者 | 山川 慶洋(名古屋市立西部医療センター 消化器内科) |
共同演者 | 中西 和久(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 足立 和規(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 稲垣 佑祐(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 小島 尚代(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 平野 敦之(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 河合 宏紀(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 木村 吉秀(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 土田 研司(名古屋市立西部医療センター 消化器内科), 妹尾 恭司(名古屋市立西部医療センター 消化器内科) |
抄録 | 症例は49歳女性。健診腹部超音波検査で膵頭部に直径5mm大の嚢胞性病変を指摘。近医受診し、腫瘍マーカー測定され基準値内だったため経過観察となった。他院受診し、MRCP施行。膵嚢胞で矛盾しないとのことで、こちらでも経過観察の方針となった。本人が心配になり精査希望にて当院紹介受診。腹部造影CT施行したところ、後上膵十二指腸動脈に直径5mm大の動脈瘤を認めた。血管造影検査により同部位に動脈瘤形成を確認。腹腔動脈を吸気、呼気で撮影したところ、呼気撮影では腹腔動脈に狭窄が生じ、正中弓状靭帯症候群が疑われた。同部位の動脈瘤は破裂率が高く、破裂すると腹腔内や後腹膜に出血し、致死的となりうるため、治療適応と判断し、コイルを用い塞栓術を施行した。塞栓術後の撮像では瘤内の造影効果を認めないことを確認し終了した。膵十二指腸動脈瘤は腹部内臓動脈瘤の2%にすぎない稀な疾患で、破裂して初めて発見され致死的な状態になることも少なくない。最近ではinterventional radiologyによる瘤塞栓が主な治療法となりつつある。膵十二指腸動脈瘤の成因として膵炎、腹部外傷、動脈硬化、繊維筋性過形成、中膜壊死などが挙げられる。本症例は正中弓状靭帯症候群による成因が考慮された。 |
索引用語 | 膵十二指腸動脈瘤, 正中弓状靭帯症候群 |