セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 095:

肝内胆管癌と鑑別が困難であった盲腸癌肝転移の1例

演者 桑原 聖典(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科)
共同演者 橋本 千樹(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 川部 直人(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 中岡 和徳(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 大城 昌史(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 高川 友花(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科)
抄録 【症例】70歳代男性【主訴】肝内胆管拡張精査【既往歴】2005年脳梗塞、症候性てんかん。2008年11月盲腸癌で回盲部切除術。【現病歴】2011年、盲腸癌術後の経過観察のために施行した腹部CTでB2の胆管拡張を認めたため、外科より当科に精査依頼された。腹部US、EOB-MRIでは、腫瘤は指摘できなかったが肝内胆管B2の拡張起始部に狭窄を認めたため、肝内胆管癌を疑い2011年10月にERCPを施行した。B2の胆管の途絶を認め擦過細胞診を施行したが陰性であった。その後、経過観察していたが、B3の拡張も出現してきたため、2012年4月に再度ERCPを施行した。狭窄範囲は下流側に広がっており、同部で擦過細胞診を行ったところ、癌細胞を認め、免疫染色では胆管癌より大腸癌を疑う所見であった。以上より盲腸癌肝転移と診断し、2012年6月肝左葉+左尾状葉切除術を行った。病理組織像は、以前切除した盲腸癌と同様の組織像で、免疫染色でもCK7(-)のことより、盲腸癌の肝転移と診断した。【考察】大腸癌肝転移は組織学的には30-40%に微細な胆管浸潤を伴っているといわれるが、術前に画像診断で胆管浸潤が診断可能な症例は稀である。【結語】腫瘤像を認めず胆管狭窄のみを認めたため肝内胆管癌との鑑別が困難であったが、胆管擦過細胞診が診断に有用であった盲腸癌肝転移の1例を経験した。
索引用語 肝転移, 胆管狭窄