セッション情報 一般演題

タイトル 047:

食道癌肉腫の1例

演者 林 則之(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学)
共同演者 片岡 洋望(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 片野 敬仁(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 田中 守(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 濱野 真吾(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 西脇 裕高(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 尾関 啓司(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 塚本 宏延(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 海老 正秀(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 森 義徳(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 澤田 武(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 久保田 英嗣(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 谷田 諭史(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大学大学院 消化器代謝内科学), 石黒 秀行(名古屋市立大学大学院 消化器外科学), 木村 昌弘(名古屋市立大学大学院 消化器外科学), 竹山 廣光(名古屋市立大学大学院 消化器外科学)
抄録 [症例]50歳代、男性。[主訴]嚥下時痛。[現病歴]数日前からの嚥下時痛を主訴に当院外来を受診した。[経過]上部消化管造影検査では、胸部中部食道に約6cmの隆起性病変を認めた。上部消化管内視鏡検査では、同部位に白苔の付着した、亜有茎性の隆起性病変認めた。その基部には軽度隆起を伴った不整な粘膜を認め,ヨード不染帯を呈した。同部位の生検病理診断にて扁平上皮癌と診断されたCT,PET-CTにて、腹部リンパ節、右頸部リンパ節腫大を認めた。食道癌T2N3M0Stage3の診断で、術前にFP療法を施行し.手術(食道亜全摘 胃管胸骨後再建 胆嚢摘出術 3領域郭清)を行った。病理組織学的には、病巣内には分化型扁平上皮癌とともに紡錘形腫瘍細胞の増生がみられ、紡錘形腫瘍細胞は免疫染色にてCK AE1/AE3(-), CK14(-), Vimentin(+)であり食道癌肉腫と診断された。術後放射線療法施行したが、胸膜転移をきたし術後約6ヶ月後に死亡した。[考察]癌肉腫(carcinosarcoma)は,1つの腫瘍内に上皮性成分と非上皮性成分が,ともに腫瘍性に増殖している腫瘍の総称で,その概念は1864 年,Virchowにより初めて提唱された。食道癌肉腫は1904年Von Hansemannにより初めて報告されており、本邦では1929年の報告以来、多数の報告がなされている。肉眼的にしばしば細い茎を有した隆起性病変を形成し、組織学的に隆起基底部から連続する上皮内に扁平上皮癌を伴っていることが特徴であり、本症例はこの特徴に一致する肉眼的形態を示していた。2004年の全食道悪性腫瘍例中0.6%と頻度の低い疾患であり、文献的考察を加え報告する。
索引用語 食道, 癌肉腫