セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 024:

短期間に増大し,内部に出血を認めたコレステロールポリープの1例

演者 黒川 雄太(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科)
共同演者 芳野 純治(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 片野 義明(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 小林 隆(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 小坂 俊仁(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 山本 智支(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 松浦 弘尚(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 成田 賢生(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 森 智子(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 細川  千佳生(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 安江 祐二(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 守瀬 善一(藤田保健衛生大学 坂文種報徳會病院 外科・小児外科)
抄録 今回我々は,病理組織学的に出血を伴った稀な胆嚢コレステロールポリープの1例を経験したので報告する。症例は34才の男性。2012年2月に受けた総合健診の腹部超音波検査(US)で,胆嚢底部に大きさ17×12mmの隆起性病変を指摘され,精査のため当院に紹介された。当院で6月に行ったUSでは,形態は有茎性,内部は比較的均一で,内部エコーレベルは胆嚢壁と等エコーを呈しコレステロールポリープと考えられる像であったが,20×9mmとやや増大していた。造影超音波検査(造影US)では,胆嚢隆起性病変全体がびまん性に少し遅れて染影された。また,小嚢胞様エコーが認められた。単純CTでは胆嚢隆起性病変のCT値は胆汁とほぼ同等であったが,一部に淡い高吸収域を認めた。また,ダイナミックCT動脈相で全体に造影効果の増強を認め,平衡相まで持続していた。MRIではT1強調像で胆嚢壁と等信号を呈し,一部に低信号を認めた。T2強調像では低信号を呈していた。なお,MRCPで膵・胆管合流異常は認められなかった。以上より胆嚢腺腫を疑い手術適応と判断したが,患者の希望により経過観察となった。3ヶ月後のUSでは胆嚢隆起性病変に変化を認めなかったが,さらに3ヶ月後の造影USでは,染影効果に変化は認めないものの、22×8mmと増大傾向を呈したため,2103年5月に腹腔鏡下胆嚢摘出術を実施した。摘出標本では大きさが20×10mmで全体に黒色を呈していた。病理組織学的所見はコレステロールポリープで,間質に多数のマクロファージを伴う出血が認められた。医学中央雑誌で1983~2012年,「コレステロールポリープ,出血」「胆嚢ポリープ,出血」で検索したが出血を伴ったコレステロールポリープの報告は1例も認めなかった。
索引用語 胆嚢ポリープ, 出血