セッション情報 一般演題

タイトル 102:

東西統合医療の経過中,偶然に飲酒欲求抑制を認めたアルコール性肝障害合併メタボリック症候群の1例

演者 廣藤 秀雄(かすみがうらクリニック)
共同演者
抄録 症例:62歳,男性〈主訴〉健診異常〈飲酒歴〉ワイン3杯/日〈現病歴〉H19年5/7 近医紹介[1/19健診:γGT 215 IU/L,腹部US:脂肪肝]〈現症〉身長166cm,体重69.5kg。血圧164/94,脈:整,微張。眼結膜:貧血,黄疸なし。舌:微白苔,少し紅,歯圧痕なし。胸腹部四肢:異常なし。〈検査所見〉ALT 21 IU/L,γGT 142 IU/L,電解質・末梢血:異常なし〈外来経過〉前医処方を継続[バルサルタン(80mg)1T,アトルバスタチン1T,アロプリノール2T/日]。 H19年11/27 バルサルタンのみ。H20年4/28 バルサルタン(40mg)1T。H21年1/19 バルサルタン1T,ベニジピン(2mg)1T。H22年11/1 高血圧の漢方治療を希望され柴胡加竜骨牡蛎湯2.5g眠前・温服を追加。腹部にオ血圧痛を認め四物湯3T朝食前・温服も併用。H23年2/7「何や!これ」といらいらしなくなった。H24年4/13 カンデサルタン/ヒドロクロロチアジド配合錠に変更後,1)酒がまずく「もう(これ以上飲まんでも)ええわぁ!」。2)出張先レストランで常に1本飲む定番ワインを半分で止めたら,店長が品質不良と勘違いした。3)別の日「あいだけ飲んだら疲れるなぁ! ようけ飲んだわ。5-6合は飲んだやろ」と翌朝,息子に言ったら2合しか飲んでいなかった。4)飲みたい気分がなくなり,まずい。酔っ払った感じはなく,本当に(酒が)入っていかない。5)変更薬剤を妻が「肝臓に悪影響した」と心配(?),元の薬に戻せと言う。バルサルタンに戻すと酒量も回復(?)した。【考察】アルコール依存症治療の断酒補助剤として1987年に登場したアカンプロサートが今年5月から国内使用されている。作用機序としてアルコール依存で生じる中枢神経系の興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の不均衡を同剤が[グルタミン酸作動性神経活動を抑制]回復させ、アルコールの自発摂取抑制や報酬効果抑制につながると推察されている。本例も鎮静作用があり癲癇に適応のある柴胡加竜骨牡蛎湯と西洋降圧剤を変法中に偶然,飲酒欲求抑制がその1剤で認められた背景に,GABAを介した可能性が示唆される。
索引用語 飲酒欲求抑制, 東西統合医療