セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 043:

当科における腹臥位胸腔鏡下食道切除術の成績

演者 青山 佳永(刈谷豊田総合病院 外科)
共同演者 北上 英彦(刈谷豊田総合病院 外科), 山本 稔(刈谷豊田総合病院 外科), 中村 謙一(刈谷豊田総合病院 外科), 渡邊 貴洋(刈谷豊田総合病院 外科), 野澤 雅之(刈谷豊田総合病院 外科), 野々山 敬介(刈谷豊田総合病院 外科), 松井 琢哉(刈谷豊田総合病院 外科), 早川 俊輔(刈谷豊田総合病院 外科), 加藤 知克(刈谷豊田総合病院 外科), 牛込 創(刈谷豊田総合病院 外科), 安田 顕(刈谷豊田総合病院 外科), 清水 保延(刈谷豊田総合病院 外科), 田中 守嗣(刈谷豊田総合病院 外科), 早川 哲史(刈谷豊田総合病院 外科)
抄録 【はじめに】食道癌に対する開胸開腹食道切除術は手術侵襲が非常に高度であり,術後十分な社会復帰ができない例も少なくない。そのため現在までに低侵襲化を目指し様々な方法で鏡視下手術が食道癌手術に導入されている.その中で腹臥位による胸腔鏡下食道切除術は2006年に日本に紹介,導入され、優れた操作性,術野展開が得られることより徐々に普及している。年間食道癌手術件数が10例ほどの当科では、鏡視下食道切除を導入するにあたり最初から腹臥位による胸腔鏡下食道切除術を選択し、2009年より現在までに同一術者により37例を経験した。【方法】体位は左半腹臥位で固定し、必要に応じて腹臥位、左側臥位に調整する。胸腔内操作は分離肺換気下でポートを4本挿入し、6mmHgの気胸下の完全鏡視下で操作する。胸腔内操作が終了後、体位を開脚位とし腹腔鏡下に腹腔内郭清と胃管作成を行い、頚部襟状切開で頚部郭清後、後縦隔経路に挙上した細径胃管と頚部食道を端々吻合にて再建する。【結果】37例中32例に術前FP療法を行っており、手術は他臓器浸潤により2例が切除不能、1例に姑息手術、34例に治癒切除を行った。治癒切除を行った34例の手術時間は中央値で9時間、出血量120.5ml、郭清リンパ節個数40.5個、術後経過は全例翌日より離床し、経口摂取開始は術後3日目、術後在院日数中央値は12日であった。合併症は縫合不全3例、反回神経不全麻痺6例、誤嚥性肺炎1例、胃管通過障害1例、頸部創感染1例を認めたが、いずれも保存的に軽快した。【結語】腹臥位胸腔鏡下食道切除術は、良好な視野での操作、十分なリンパ節郭清が可能で、当科では年間症例数が少ないにもかかわらず安全に施行できている。今回、当院で行っている手術の実際をビデオで供覧し、導入後の手術成績について検討し、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 食道癌, 胸腔鏡下食道切除術