セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 085:

蛋白漏出性腸症をきたしたcollagenous colitisの1例

演者 尾関 智紀(愛知医科大学 消化器内科)
共同演者 小笠原 尚高(愛知医科大学 消化器内科), 井澤 晋也(愛知医科大学 消化器内科), 近藤 好博(愛知医科大学 消化器内科), 伊藤 義紹(愛知医科大学 消化器内科), 野田 久嗣(愛知医科大学 消化器内科), 山口 純治(愛知医科大学 消化器内科), 郷治 滋希(愛知医科大学 消化器内科), 田邉 敦資(愛知医科大学 消化器内科), 柳本 研一郎(愛知医科大学 消化器内科), 田村 泰弘(愛知医科大学 消化器内科), 岡庭 紀子(愛知医科大学 消化器内科), 増井 竜太(愛知医科大学 消化器内科), 土方 康孝(愛知医科大学 消化器内科), 徳留 健太郎(愛知医科大学 消化器内科), 河村 直彦(愛知医科大学 消化器内科), 飯田 章人(愛知医科大学 消化器内科), 舟木 康(愛知医科大学 消化器内科), 佐々木 誠人(愛知医科大学 消化器内科), 春日井 邦夫(愛知医科大学 消化器内科)
抄録 【症例】63歳、女性【既往歴】59歳時、ギランバレー症候群【現病歴】平成22年10月頃から心窩部不快感のため近医より処方されたランソプラゾール、メトクロプラミド、モサプリドを服用していた。平成23年10月頃から頻回の水様性下痢が持続し、さらに平成24年2月頃より両下腿の浮腫が出現したため当院紹介受診された。血液生化学検査にて低蛋白血症を認めたため、平成24年2月27日精査加療目的にて当院入院となった。【経過】下部消化管内視鏡検査では大腸全体に浮腫状粘膜を認め、上行結腸に異常血管の増生、下行結腸には粗造・顆粒状粘膜と多発する縦走潰瘍瘢痕が認められた。大腸生検病理組織検査所見では上皮直下に著明な膠原繊維帯の沈着を認めたためcollagenous colitisと診断した。また、小腸カプセル内視鏡検査では異常所見を認めなかった。漏出シンチ検査では下行結腸のみに集積が認められたため、collagenous colitisが起因となった蛋白漏出性腸症と診断した。ランソプラゾールの内服中止後すみやかに水様性下痢、両下肢浮腫は消失し、低蛋白血症も著明に改善した。【考察】本邦では近年、縦走潰瘍をはじめとする内視鏡的異常所見や原因薬剤との関連性などcollagenous colitisについての臨床報告が急増している。しかしながら、蛋白漏出性腸症をきたしたcollagenous colitisの報告は検索した限り本邦では2例のみであり、本症例は非常に稀な報告であると推察される。【結語】蛋白漏出をきたしたcollagenous colitisの一例を経験したので、若干の考察を加えて報告する。
索引用語 collagenous colitis, 蛋白漏出性腸症