セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 088:当院における腫瘤形成性虫垂炎に対するinterval appendectomyの検討 |
演者 | 加藤 知克(刈谷豊田総合病院 外科) |
共同演者 | 早川 哲史(刈谷豊田総合病院 外科), 山本 稔(刈谷豊田総合病院 外科), 青山 佳永(刈谷豊田総合病院 外科), 牛込 創(刈谷豊田総合病院 外科), 中村 謙一(刈谷豊田総合病院 外科), 渡邊 貴洋(刈谷豊田総合病院 外科), 安田 顕(刈谷豊田総合病院 外科), 北上 英彦(刈谷豊田総合病院 外科), 清水 保延(刈谷豊田総合病院 外科), 田中 守嗣(刈谷豊田総合病院 外科) |
抄録 | 【はじめに】従来、急性虫垂炎に対しる根治的治療は手術とされ、特に虫垂周囲に膿瘍を形成するような症例は絶対的な手術適応とされてきた。しかし腫瘤形成性虫垂炎の手術では大きな開腹創で回盲部切除などの拡大手術が必要となる場合があり、術後合併症も高率であるといわれている。そのため近年では保存的治療を十分に行い、炎症を鎮静化させた後に虫垂切除を行うinterval appendectomyが行われるようになってきた。当科では急性虫垂炎に対して主に緊急腹腔鏡下虫垂切除術(Emergency laparoscopic appendectomy 以下EA)を施行している。また、腫瘤形成性虫垂炎に対しては保存的治療を先行した後に腹腔鏡下虫垂切除術(interval laparoscopic appendectomy 以下IA)を施行している。【対象】2010年1月から2013年9月までに当院で腫瘤形成性虫垂炎と診断され治療を施行した46例を対象とした。【結果】46例のうちIAを予定したのは17例、EA施行例は26例、予定回盲部切除術施行例は3例(虫垂癌などのため)であった。IAを予定した17例のうち完遂例は13例(76.5%)であり、残りの4例は保存的治療施行も増悪し腹腔鏡下虫垂切除術が施行された。IA完遂群13例とEA群26例を比較した。開腹移行はEA群26例中3例(11.5%)認めた。平均手術時間はIA群で86.5分、EA群で170.5分と有意にIA群で短かった(P<0.05)。平均出血量はIA群で3ml、EA群で178mlと有意にIA群で少なかった(P<0.01)。平均入院期間はIA群で5.5日、EA群で10.7日と有意にIA群で短かった(P<0.01)。術後合併症はIA群で麻痺性イレウス1例(7.7%)、EA群で麻痺性イレウス8例(30.8%)、遺残膿瘍2例(7.7%)であり有意差は認めなかった。【結語】腫瘤形成性虫垂炎に対して保存的治療を先行することにより、腹腔鏡下手術が容易になることが示唆され腫瘤形成性虫垂炎に対するinterval appendectomyは有効な治療法であると考えられた。 |
索引用語 | 腫瘤形成性虫垂炎, interval appendectomy |