セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 121:

5週間の投与でSVRが得られたC型慢性肝炎に対する3剤併用療法の1例

演者 天池 真名美(愛知医科大学病院 消化器内科)
共同演者 山本 高也(愛知医科大学病院 消化器内科), 佐藤 顕(愛知医科大学病院 消化器内科), 野原 真子(愛知医科大学病院 消化器内科), 下郷 彰礼(愛知医科大学病院 消化器内科), 大橋 知彦(愛知医科大学病院 消化器内科), 中出 幸臣(愛知医科大学病院 消化器内科), 伊藤 清顕(愛知医科大学病院 消化器内科), 中尾 春壽(愛知医科大学病院 消化器内科), 米田 政志(愛知医科大学病院 消化器内科)
抄録 【目的】現在1型高ウイルス量のC型慢性肝炎の治療にはPEG-IFNとRBVにtelaprevirを加えた3剤併用療法が行われており、高いSVRが得られている。しかし、汎血球減少や皮膚症状などの副作用により中止する例も少なくなく、減量、中止基準を含め多くの議論がなされている状況である。今回我々は、ヘモグロビンの低下により短期間(5週)の治療で中止としたが、結果的にSVRが得られた症例を経験したので報告する。【症例】50歳男性。HCV-Genotype 1b、HCV RNA 6.07logIU/ml、ALT 19IU/l、Hb 14.2g/dl、Plt 13.7万/mm、IL28B SNPs解析はメジャーホモ(T/T)。前回のIFN治療は平成22年7月からPEG-IFNとRBVにて48週投与の治療歴あり、治療終了後4週で再燃している。平成24年9月よりPEG-IFN、RBV、telaprevirによる3剤併用療法を開始した。【臨床経過】PEG-IFN 100μg、RBV 800mg/day、telaprevir 2250mg/dayにて開始。治療開始5日目で皮疹が出現し皮膚科受診。Stage1と診断されステロイド外用と抗ヒスタミンの内服にて治療継続。第3週の採血でHbが11.1g/dlと低下を認め、RBVの減量を行った。第4週の採血でウイルス消失が得られた。第5週の採血でHbが8.4g/dlと低下がみられ、本人の希望もあり全面中止とした。治療終了後約12ヶ月が経過した現在も、再燃を認めず、SVRが得られている。【考察】C型慢性肝炎における3剤併用療法は以前の2剤療法に比較し、治療期間も短く、高いSVR率が得られる反面、皮膚症状、貧血の副作用の出現率が特に高くなっており、中止、減量症例が多数みられる現状である。今症例では、副作用のため治療を短期間で中止せざるを得なかったが、結果的にSVRが得られた。同様に、短期間で治療を終了しSVRが得られた症例の報告は少なく、telaprevirを含む3剤併用療法で6週以内に全ての薬剤を中止した東海地区の症例を調査したところ、全部で700例の投与があり、6週までに副作用等で全ての薬剤を中止した症例が21例、そのうち今回の症例を含めて3例がSVRであった。【結語】短期間の治療でSVRが得られた症例を経験した。
索引用語 C型肝炎, テラプレビル