セッション情報 一般演題

タイトル 050:

当院におけるトロンボモジュリン製剤の使用経験について

演者 堅田 武保(豊川市民病院 外科)
共同演者 篠田 憲幸(豊川市民病院 外科), 寺西 太(豊川市民病院 外科), 高嶋 伸宏(豊川市民病院 外科), 安藤 菜奈子(豊川市民病院 外科), 中屋 誠一(豊川市民病院 外科), 上野 修平(豊川市民病院 外科), 原田 真之資(豊川市民病院 外科)
抄録 【目的】DIC(汎発性血管内血液凝固症)は、造血器悪性腫瘍、敗血症を含む感染症、固形癌に多く合併し、年間6~7万人が発症することが報告されている。従来DICの治療はヘパリンやメシル酸ガベキサートなどの抗凝固療法が主体であったが、新たに遺伝子組換えトロンボモジュリン(rTM)という選択肢が加わった。rTMは第3相臨床試験ではヘパリンに対して有用性が示されたが、今回我々は消化器疾患領域におけるDICに対してその有用性の検討を行った。【対象・方法】対象症例は2010年12月から2013年6月までの穿孔性腹膜炎24症例と胆道系感染症18例の計42症例とし、rTMのDICに対する効果及び抗炎症効果をretrospectiveに検討した。また、それぞれの疾患群においてrTM単剤投与群と他の凝固剤との併用群との2群に分けて各検査値の改善度を比較し、単剤投与での有効性を検討した。加えて有害事象についても検討を行った。【結果】rTM投与にてDICスコアの低下および炎症反応の低下がみられた。各パラメーターにおいて単剤投与群は他剤併用群と比較し、同程度の改善度が得られた。【考察】rTMは消化器疾患関連のDICに対しても有効な薬剤であり、単剤投与でも他剤併用群と同程度の治療効果が期待できる可能性が示唆された。
索引用語 DIC, トロンボモジュリン製剤