セッション情報 一般演題

タイトル 020:

胆管内乳頭状腫瘍の一例

演者 池田 誉(静岡市立清水病院 消化器内科)
共同演者 窪田 裕幸(静岡市立清水病院 消化器内科), 高柳 泰宏(静岡市立清水病院 消化器内科), 松浦 友春(静岡市立清水病院 消化器内科), 小池 弘太(静岡市立清水病院 消化器内科), 西山 雷祐(静岡市立清水病院 外科)
抄録 【症例】80歳台男性【主訴】肝機能障害【既往歴】糖尿病、高血圧、白内障【生活歴】飲酒1~2合/日60年、喫煙20本/日60年【現症】近医にてアルコール性肝機能障害のため経過観察中であった。2011/12月上旬に肝機能悪化したため精査目的で同月下旬に当科へ紹介受診。来院時特に自覚症状なし。【経過】来院時血液生化学検査にてWBC3100/μl、T-Bil 1.19mg/dl ALP892IU/l、AST181IU/l、ALT189IU/l、γ-GTP687IU/l、AMY49IU/l、CRP0.2mg/dlと肝機能障害を認めたたが炎症所見は認めなかった。腹部エコーにて肝内胆管および総胆管の拡張を認め、下部胆管に2cm大の高エコーの腫瘤性病変を認めた。造影CT:エコー同様肝内胆管および総胆管の拡張を認めた。また下部胆管に造影効果のある2cm大の腫瘤性病変認めた。画像所見から下部胆管癌ないし十二指腸乳頭部癌を疑った。ERCPにて十二指腸乳頭部に腫瘤を認めた。生検にて乳頭状腺腫が疑われた。悪性の可能性があるためPpPDを施行した。手術標本では下部胆管に1.9×2.2×1.7cm大の腫瘤を認めた。病理所見は有茎性の乳頭状発育した腫瘍であった。核異形の強い乳頭状増殖を認め、間質に粘液産生貯留を認めた。胆管内乳頭状腺癌と診断した。周囲浸潤はなく深達度m ly0v0n0、stageIと診断した。【考察】胆管内乳頭状腫瘍IPNB:intraductal papillary neoplasm of bile ductの一例を経験した。胆管と膵臓は発生学的に同じ由来であり膵IPMNと類似性も多い。このため膵IPMNの概念を適用できるとの報告も多い。しかしながら粘液非産生腫瘍では更なる検討が必要との報告もある。文献的に考察しともに報告する。
索引用語 胆管内乳頭状腫瘍, 胆管癌