セッション情報 シンポジウム「炎症性腸疾患の診断と治療 up-to-date」

タイトル S-04:

インフリキシマブ‐アダリムマブ スイッチ療法からみたクローン病に対するアダリムマブの維持治療効果予測因子の検討。

演者 長坂 光夫(藤田保健衛生大学 医学部 消化管内科)
共同演者 藤田 浩史(日進おりど病院), 平田 一郎(藤田保健衛生大学 医学部 消化管内科)
抄録 【目的】クローン病においてインフリキシマブ(IFX)に対する効果減弱・2次無効・投与時副反応などにより維持治療を継続できない症例に対するアダリムマブへのスイッチ治療症例に関して臨床的な検討し、アダリムマブの維持治療効果予測因子を検討した。【対象】当科に通院中のアダリムマブ治療中のクローン病症例で24週を経過した22症例に関して検討した。【結果】22症例の内訳は男性17例、女性5例、平均年齢33±13歳、スイッチ症例は17例、ナイーブ症例は5例であった。ナイーブ・スイッチ別の検討ではナイーブ症例でアダリムマブは有効であった。IFX効果減弱・不耐例別の検討では不耐例で有効であった。IM・ED併用別の検討では明らかな差を認めなかった。投与前のCRP3mg/dL以上の症例とそれ未満の症例ではCRP3mg/dL未満の症例の方が効果が良好であった。寛解導入時の160mg投与後CRPが悪化する症例では4例中3例で外科的手術・ドレナージ処置が必要であった。12週時のCRP1mg/dL以上の症例とそれ未満の症例では1mg/dL未満の症例でその後の効果が良好であった。【結論・考察】アダリムマブ投与前の治療やスイッチ/ナイーブにかかわらず、アダリムマブ投与前の活動性が低い症例程その後のアダリムマブの効果が良好であったため、投与前と12週時のCRP値がアダリムマブ維持治療の効果予測因子となりうると考えられた。またスイッチ症例ではIFX不耐例が良い適応と考えられた。
索引用語 クローン病, アダリムマブ