セッション情報 |
一般演題(専修医(卒後3-5年))
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タイトル |
062:放射線化学療法が奏功し、切除しえた局所高度浸潤膵頭部癌の4例
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演者 |
越智 隆之(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科) |
共同演者 |
石原 慎(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 伊東 昌広(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 浅野 之夫(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 伊藤 良太郎(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 志村 正博(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 清水 謙太郎(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 林 千紘(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 松尾 一勲(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科), 堀口 明彦(藤田保健衛生大学 総合外科・膵臓外科) |
抄録 |
【はじめに】通常型膵癌の5年生存率は11.6%と予後不良であり、切除が唯一の根治方法である。近年、borderline resectable膵癌に対する治療法の発表は散見されるが、局所進行切除不能膵癌ではほとんど見られない。遠隔転移を認めない局所進行膵癌の場合、化学療法併用放射線治療によりdawn stagingすることで、切除可能となる症例も増えてきている。教室では局所進行膵癌に対して化学療法併用放射線治療を施行した56例中4例にR0手術を施行しえたので報告する。【治療指針】全例に化学放射線療法を施行した。(放射線療法:2Gy/回×30回,day1-5,6w、化学療法:塩酸ゲムシタビン/600mg/m2 day1,8,15,q4w。【治療成績】CR:0例、PR:24例、SD:28例、PD:4例であった。Response Rateは42.4%であり、Disease Control Rateは92.8%であった。PR症例のうち4例に切除術を施行した。【症例1】62歳男性、MD-CTにてSMA浸潤、CRT後、PR。SSPPD施行。術後肺転移を認め、41ヶ月にて死亡。【症例2】57歳女性、MD-CTにてIVC浸潤、CRT施行後、PR。SSPPD施行。60ヶ月無再発生存中。【症例3】70歳男性、MD-CTにてSMA浸潤、CRT後、PR。SSPPD施行。27ヶ月無再発生存中【症例4】66歳男性、MD-CTにてSMA浸潤、CRT後、PR。SSPPD施行。18ヶ月無再発生存中。【考察】教室におけるR0手術を施行し得た膵頭部癌患者の5年生存率は、35.9%と比較的良好な成績である。根治切除困難と思われる膵癌であっても、CRTにより縮小効果が認められれば,R0手術につながる可能性があり、進行膵癌の予後向上に期待が持てると考える。 |
索引用語 |
CRT, 局所高度浸潤 |