セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 103:

塩酸ミノサイクリン注入が奏効した感染性肝嚢胞の1例

演者 山内 浩揮(名古屋セントラル病院 消化器内科)
共同演者 川島 靖浩(名古屋セントラル病院 消化器内科), 安藤 伸浩(名古屋セントラル病院 消化器内科), 真鍋 孔透(名古屋セントラル病院 消化器内科), 小宮山 琢真(名古屋セントラル病院 消化器内科), 長谷川 恒輔(名古屋セントラル病院 消化器内科), 山田 弘武(名古屋セントラル病院 消化器内科), 中村 博式(西美濃厚生病院 内科)
抄録 【緒言】肝嚢胞の診断は超音波検査やCT検査にて容易に行う事が出来る。ほとんどのものは無症状で臨床的に問題となる事は少ない。まれに胆管の圧迫や感染、出血をきたし治療の必要が生じるものがあるが、その報告は依然少ない。今回経験した感染性肝嚢胞について報告する。【症例】68歳女性。平成16年に上行結腸脂肪腫、胆嚢ポリープに対して腹腔鏡下回盲部切除・胆嚢摘出を行い、その頃に肝嚢胞の指摘はされていた。本年6月初旬より腹痛症状にて近医受診。症状の軽快が得られず当院を受診された。当院初診時は、炎症反応・肝酵素上昇あるも症状は微熱と軽度の痛みであり、LVFX投与にて経過を見る事とした。フォローにてデータの悪化認めたため精査を行ったところ肝嚢胞の増大を認めた。臨床症状、画像所見より感染性肝嚢胞の診断となった。その後、腹痛の増強・データの悪化を認めたため、入院にて経皮的肝嚢胞ドレナージ施行した。嚢胞内へ塩酸ミノサイクリン注入を行い、症状・データの改善を認め退院へ至った。【考察】感染性肝嚢胞に対する塩酸ミノサイクリン投与にて軽快が得られた1例を経験した。本症例の様に肝嚢胞の増大を認めるような場合は肝嚢胞の感染も考慮が必要と思われる。塩酸ミノサイクリン投与が奏効した症例であり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 感染性肝嚢胞, ドレナージ