セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 052:

腸管内魚骨が短時間に穿通し大網内に移動した一例

演者 小田 隆夫(JA愛知厚生連 尾西病院 外科)
共同演者 志賀 一慶(JA愛知厚生連 尾西病院 外科), 高山 宗之(JA愛知厚生連 尾西病院 外科), 伊藤 浩一(JA愛知厚生連 尾西病院 外科), 真下 啓二(JA愛知厚生連 尾西病院 外科)
抄録 <主訴>右下腹部痛<既往歴>高血圧 高脂血症 脳動脈瘤<現病歴>平成23年2月8日右下腹痛にて近医より紹介され当院救急外来受診。腹部単純CTにて回盲部付近の腸管内に線状のhigh density認め魚骨による異物穿孔疑われ外科コンサルトとなった。炎症所見は軽度上昇認めるのみであったため待機的手術を前提に経過観察入院となった。翌日CTを再検すると魚骨は若干肛門側に移動しており明らかな穿孔や周囲腹腔脂肪織濃度の上昇も明らかに認めなかったが、腹部理学所見上筋性防御、反跳痛を認めたため御本人、御家族の同意を得て同日夕方に手術治療を行なった。<手術所見>腹腔鏡下に腹腔内を観察するも鉗子での把持にて明らかな異物は認めず。小切開を置き小腸を検索、バウヒン弁より170cm口側の回腸に小腸壁の肥厚、浮腫、漿膜面の創を認めたが明らかな異物は同定できず、さらに腹腔内を観察すると大網内に魚骨と思われる異物を同定した。右下腹部には少量の膿性腹水を伴っていた。同部位の小腸切除、腹腔内を洗浄後drainを留置した。<術後経過>FMOX使用し術後8日目にdrainより混濁した排液認めたが翌日には漿液性となり、培養でも発育菌なく術後15日目に経過良好で退院となった。数時間の間に小腸を貫通し魚骨が大網内に移動した一例を経験した。若干の文献的考察を含め報告する。
索引用語 魚骨, 大網